9月8日、愛知県一帯を襲った線状降水帯により、各地で記録的な豪雨災害が発生した。名古屋市では1時間あたり104.5mmという観測史上最大の猛烈な雨を記録。これにより気象庁は愛知・岐阜を流れる庄内川に「レベル5氾濫特別警報」を発表し、名古屋市は約200万人に避難指示を出す事態となった。
市内では、至る所で道路の冠水やアンダーパスの水没が発生したほか、鉄道やバスなどの公共交通機関がストップ。帰宅ラッシュの時間帯と重なったことで市民生活に甚大な影響をもたらした。
現地を取材した記者は、当日の急激な水位上昇についてこう語る。
「夕方ごろになると、低い道路に水がたまったことで、車が通るとたまった雨水をかき分け、ザブンと波が立つような状態でした。それを避けるため、多くの車が高めの道路へ抜けるか、気にせず突き進むかの2択を迫られました。
前者を選んだ車は幹線道路に集中したため、渋滞が発生。一方、水たまりを突き進んでいく車の中には、途中で諦めて歩道や駐車場に避難する車も出始めました」
水没による車の故障も相次いだ。ある交差点では、動かなくなったハイエースを警察や運転手、付近の住民など4人がかりで裏路地まで押し、二次被害を防ぐための移動作業がおこなわれていた。突然車が急停止してしまったという運転手は、疲弊した様子でこう語った。
「前の車についていって、『このまま水たまりも突っ切れるかな』と思っていたのですが……。何の前触れもなく『ボン!』といってエンジンが止まってしまいました。マフラーにも水は入らない水位だったので、驚きましたよ」
幹線道路への影響も広範に及んだ。岐阜と名古屋を結ぶ大きな道路である国道22号線では、路面に水はなく走行自体に問題はなかったものの、激しい渋滞が発生しノロノロ運転が続いた。
「道中では、動かなくなった車が2~3台見られたほか、大型トラックがレッカー移動されている様子も確認できました。豪雨の爪痕が各所に残されていましたね」(前出・現地記者)
夜になっても街の混乱は収まることはなかった。
「19時40分ごろ、雨は小降りとなって路面に水はなかったものの、地下鉄浅間町駅の出口付近では10名ほどの人々がスマートフォンを見つめながら立ち尽くしていました。公共交通機関の運休で帰宅困難者が多数発生し、街中へ進むにつれて同様に足止めされる人の姿が次第に増えていきましたね」(同前)
多発する集中豪雨災害。日本のどこにいても他人事ではない。
画像ページ >【写真あり】ボンネットまで車が水に浸かり…線状降水帯で大洪水となった愛知県(他4枚)
