■過去にも「限定グッズの配送料」名目で5万円の被害
“大谷選手”をかたった手口をはじめ、この手のロマンス詐欺の件数と被害額は、近年急増しており、警察庁のまとめでは、2025年のロマンス詐欺は全国で5,645件(前年比1,821件増)。被害金額も約546億円に達し、過去最悪のペースで増加している。
兄が警戒を強め、妹のスマートフォンを確認すると、過去にも別の詐欺被害に遭っていたことが分かった。
きっかけは、参加していたFacebookの大谷翔平ファンクラブからのダイレクトメッセージだった。
《大谷選手のサイン入り限定ユニフォームとバットを贈ります》
今年2月19日、「ワールド・カンパニー」と名乗る業者から、LINEで《SHOHEI OHTANIのマネジメントより荷物が届きました》という連絡があった。
女性は大谷選手のグッズが無料で届くと思い込んだが、業者は高額な配送料を要求。エコノミーは5万円、スタンダードは15万円、エクスプレスは20万円などと説明した。
女性が5万円のコースを選ぶと、相手は《ATM決済と銀行振込が使えない》として、コンビニでAppleギフトカードを購入し、コード写真を送るよう指示。女性は言われるまま5万円分を購入して送信した。
相手は《支払いを受領した。荷物は186時間以内に到着する》と返信したが、期日を過ぎても商品は届かなかった。その後も《税関で遅延している》《通関許可のためにステッカーが必要》などと連絡が続き、結局5万円を騙し取られた。
■スターの知名度と「孤独」につけ込む卑劣な手口
兄は、障害がありSOSを出しづらい立場につけ込む詐欺グループの卑劣さに怒りを隠さない。
「障害者という弱者を相手に、卑怯な手口で金銭をだまし取る。極めて悪質です。警察に届けるとともに、LINEのやり取りを公開することで、同じような被害に遭う人を少しでも減らしたいと思いました」
大谷翔平選手(31)の名前や知名度を悪用した詐欺トラブルは、近年相次いでいる。
今年6月には、大谷選手を装って高齢女性から現金100万円を騙し取ったとして、ネパール国籍の親子が警視庁高輪署に逮捕される事件が発生。7月にも、兵庫県西宮市の73歳女性が“大谷翔平”を名乗る人物から「グッズを送る」と持ちかけられ、約150万円を騙し取られる被害が確認されている。
スター選手の知名度と信用を悪用し、孤独や不安につけ込む手口は悪質だ。大谷選手本人が個人のSNSやLINEを通じて直接金銭やギフトカードを要求することは絶対にない。不審な連絡を受けた場合は、送金やコード送信をする前に、家族や警察、消費生活センターへ相談することが重要である。
画像ページ >【写真あり】実際の“偽大谷”とLINEのやりとり(他8枚)
