「このイベントがメディアで取り上げられ、女性の問題についてクローズアップされる機会になると思います。日本でも女性の問題について考えるきっかけとなることを願っています」
そう語るのは、カトリーヌ・ドヌーヴ(66)。現代の女性像を表現するイベント「Femmes @ Tokyo(ファム@トウキョウ)」の特別ゲストとして来日、2月28日に都内で行われた記者会見に出席した。
この秋から銀座テアトルシネマ他にてロードショーされる、最新作の『隠された日記~母たち、娘たち~(仮題)』。「女性にまつわる問題は私自身、関心のあるテーマですし、新しい映画をみなさまに御紹介できるのではないかと思い、招待を引き受けました。3月8日は国際女性の日。このような日が制定されることで、日ごろは忘れがちなことがクローズアップされます。この日があることで議論が活性化すれば」
『隠された日記』は、母親(ドヌーヴ)とその娘、祖母と3世代に渡る女性のストーリー。フランスの片田舎を舞台に、3世代の女たちの生き方を、新鋭ジュリー・ロペス=クルヴァル監督が描いた作品。
「若い監督と仕事をすると、私が教わることが多いです。未来の巨匠たちと仕事をするきっかけは個人的な好奇心からですね。映画には、どこにでも浸透していける力があります。映画を通じて、世代や言語を越えて、さまざまな人々と出会うことができるのです」
予定されていた会見時間を過ぎても「今、手を挙げてくださっている方のご質問にはすべてお答えしましょう」と、本誌記者の質問にも真摯に回答してくれた。
「私は自分の娘とは良好な関係を築いていますので、劇中で緊張感のある親子関係を演じられたのはとても楽しいことでした。日本あるいはフランスに限らず、どこの社会でもとにかく会話をして、とことん話し合うことの重要性を訴えたい。映画はどこへでも浸透していく力を持っています。世界中の誰にでも、世代を超えて、本質的なものを訴えることができると思います」
退席する直前、記者団に、「皆さんが最後まできちんと聞いて下さったので、大学教授にでもなったような気分でした」とジョークを飛ばし、大喝采を浴びていた。