全豪オープンテニスで8強入りを果たした錦織圭(22)。だが、真夏のオーストラリアでの連戦は、彼の体力を著しく消耗させていた。とくに、19歳年上のクルム伊達公子(41)とペアで挑んだ2回戦の試合前日、シングルスとの掛け持ちで錦織は疲労困憊だった。
「伊達は、錦織の疲れ果てた姿を見て彼のマネージャーに『ペアの2回戦は放棄したい。圭くんにはシングルスの準々決勝に集中してもらいたい。これは日本テニス界にとっても重要だから』と申し出たんです。ところが錦織は、『どうしても伊達さんと一緒に試合に出たい』と言って聞かなかったんです」(スポーツ記者)
錦織と伊達は、2年前にフロリダの『IMGテニスアカデミー』でともに故障と闘い復帰に向けてトレーニングしたときからの仲。彼はそのときのことを『隣に伊達さんがいることで、折れそうになる心が何度も救われた』と知人に語っているという。
このリハビリ合宿以来、錦織は伊達を“心の師”と仰ぐようになったようだ。前出のスポーツ記者は、ダブルス前日の様子をこう話す。
「錦織とのダブルス2回戦の前夜も、2人でずいぶん話し込んだみたいです。伊達は彼女の’94年の全豪シングルス準決勝のときの経験から、平常心の大切さや、“負けない心”を養うメンタル部分でのアドバイスをしたようですね」