明日にでも起こるかもしれない東京・首都直下型地震。そこで今回、災害危機コンサルタントの堀越謙一さんに、東京が大地震に襲われた場合の建物倒壊、火災などのリスクが高い街について検証してもらった。その結果、危険度の高かったのは東京23区。ワースト・ランキング上位100町丁目のすべてが23区内に存在していた。特に30位以内では、足立区、墨田区、荒川区で6割を占めた。

その主な要因は、河川の下流地域に無秩序に居住地域が形成されたこと。十分な道幅を確保しないまま、多くの密集住宅地域が集積しているからだ。地盤も脆弱な場所が多く、下位地域の多くは沖積低地や谷底低地に分類される地盤上に、古い木造建築物や軽量鉄骨造の建物が密集している。公園や空地も少ないため、災害時、火災延焼の可能性も高い。

「1995年の阪神・淡路大震災の死者は6千434人。地震発生が午前5時台と早朝だったことから、倒壊した家屋の下敷きになって亡くなった方が多かった。やはり寝室対策が必要不可欠です。タンスなどの倒壊で下敷きになり、身動きがとれなくなることだけは絶対にさけなければなりません。戸建て住宅であれば、寝室を2階にする。1階部分は倒壊する可能性が非常に高く、2階は倒壊を免れるケースが多いからです」(堀越さん)

以下の堀越さんが作成・監修してくれた、東京「首都直下型地震」に強い街ランキング・ワースト10は、東京都が5千99町丁目を対象におこなった『地震に関する地域危険度測定調査』(2008年)を基に、さらに地盤の強弱、木造住宅率、密集度、液状化、火災延焼などのデータを独自に組み入れて算出、ランキング化したものだ。

【1】墨田区墨田3丁目
【2】新宿区若葉3丁目
【3】荒川区町屋4丁目
【3】品川区二葉3丁目
【5】足立区千住柳町
【6】足立区千住4丁目
【7】墨田区京島3丁目
【7】足立区柳原2丁目
【9】荒川区荒川6丁目
【10】墨田区東向島1丁目
【10】江東区北砂4丁目

今回のランキングに住んでいるからといって、その街が絶対に危険というわけではないだろうが、事前の対策や普段からの心構えが肝心なことはくれぐれもお忘れなく!

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