昨年4月に乳がんのため亡くなった女優の田中好子さん(享年55)の一周忌の献花式が、21日、都内で開かれた。式には全国から約300人のファンが駆けつけ、ドラマや映画で幾度も、母親役を演じてきた田中さんにカーネーションをささげた。

ファンの他にも、俳優・津川雅彦(72)、女優・国仲涼子(32)、ガレッジセール・ゴリ(39)や関係者も集まった。津川は、「残された方は不幸でも、亡くなることは不幸ではない。『ご苦労さま』と神さまに召されて天国に行くのはステキなこと」と挨拶した。

田中さんは、被災者のことを思いながら天に召された。既に死を覚悟していた昨年3月11日に東日本大震災が発生。「何か自分がやれることはないか」と思ったが、体はもう動かなかった。その無念を同月29日、テープに吹き込んだ。「必ず、天国で被災された方のお役に立ちたいと思います。それが私の務めと思っています」。テープは葬儀会場で流され、関係者、ファンに大きな衝撃を与えた。

夫の小達一雄さん(57)は「心の片隅のどこかに、女優・田中好子を残していただけますことをお願いします」とあいさつした。(撮影:江口明裕)

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