2007年に乳がんの手術を受けた山田邦子さん(52)。放射線治療を終えて、同年8月29日に終了した。

「本当に5年たったんだなあ。こういう日がきたんだなあって感慨深い思いです。毎日飲み忘れがないようにしていた5年間が終わってみると、複雑な気持ちです。いつしかホルモン治療が支えになっていたので。薬が終了した日に私の主治医の矢形寛先生をはじめ、聖路加国際病院ブレストセンターの先生方から、『あなたの5年間は勇敢でした』と表彰状をいただいたの。うれしかったですね」

山田さんは治療以外にも自分なりのやり方で乳がんに立ち向かってきた。それまでの食生活を改め、健康的な食生活に改善。また友人たちとの付き合い方も変わっていった。友人や周囲の人たちに支えられて生きることの幸せも、あらためて知った。仕事一辺倒の生活が今ではウソのようだという。

「若いお友達もたくさん増えました。それまでは年下の友達なんて、ちょっと面倒くさかったから、年上のお友達からいろいろ吸収したいと思ってたけど。若さって素晴らしい、健康って本当に素晴らしいと思って」

若い人と一緒にいることで、アウトドア派になったそうだ。そして本来の仕事に加え、ピンクリボンの活動や自らが団長を務める『スター混声合唱団』の活動。そして講演会と多忙な日々が続く。

「運動もすごくするようになった。今年から筋トレも始めました。ウオーキングをしたり、プロの方に見ていただいたら、体の調子がよくなってきました。ほかにも太鼓や長唄も習っていますし、社交ダンスも始めたし、なんだかんだ続いていますね。長続きするコツはイケメンの先生に習うこと(笑)」

「なんでも無理しないように」と語る山田さん。今日泣いても明日笑えばいい。泣くのはかっこ悪いと思っていたけど、それも生きてるからなんだって気がついたという。そんな彼女の今後の活動は――。

「検診しましょう、早期発見しましょうと伝えることが私の使命。こんな私でも何か役に立つことがあるんですよ。私はがんを公表して、皆さんに知ってもらって本当によかったと思います。いろいろな方たちに助けられた5年間だったので、これから返していかないと。最近若くなったとよく言われます。ミニスカートもはいてるし、どんどん元気になっちゃって、私ってどうなっていくんでしょうね(笑)」

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