栄えある昼ドラ200作目となった『明日の光をつかめ―2013夏―』が、7月1日からスタートした。家族と暮らすことのできない、傷ついた子供たちの成長を描く人気シリーズ第3弾だ。シリーズを通じ、ずっと子供たちを見守り続けるのが、渡辺いっけい演じる北山修治。渡辺に、昼ドラの魅力を語ってもらった。

「今回の主人公・蒼(あおい)を演じている(須田)アンナちゃんの“伸びしろ”というか、集中力がすごいんですよ。初日から1週間でガラッと変わっていて。『これは面白くなるな』って思いましたね。歴代の出演者も含め、子供たちからは何が出てくるかわからない面白さがある。うまい下手を超えた“何か”があるんですよね」(渡辺・以下同)

「こうしたほうがいい」など、子供たちに演技についての指導はしないという渡辺。ひとりの俳優として子供たちと接し、いっしょに芝居することを楽しんでいるという。

「僕はシリーズを通して同じ人物を演じていますが、主人公の子供たちは毎回、違うので、作品はもちろん、現場の雰囲気やチーム感もまったく違いますよ」

 撮影真っただ中の現場にも、本誌はお邪魔した。この日は、6話から20話までの、同じセットを使ったシーンが、朝から撮影されていた。先ごろまで放送されていたドラマ『ガリレオ』(フジテレビ系)にも出演していた渡辺にとって、スケジュールはかなりタイトなのでは?

「じつは僕、だいたいほかの作品と重なっていることが多いんです。最初のとき(’10年)は、大河ドラマ『龍馬伝』と並行して撮影していました。あのときは、時代劇の扮装だから、休息中も横になれないんですよ。ずっと座っているしかなくて、それがキツかったですね(笑)。北山修治という人物は、熱さや強さを感じさせるセリフが多いので、底力を入れないとできないんです。だから『疲れた』なんて言ってられないぞっていう気持ちはありますね」

今作では中盤以降、家族を失った北山の過去にかかわる、大きな展開が待っているという。本人も「よくこんな展開思いつくな、というくらい驚いた」というが、この“ドラマ性”こそ、昼ドラの醍醐味。彼にとって、昼ドラとは?

「『役者にとっての、最高の修業の場』。じつはこれ、僕が初めてお昼のドラマをやるとき、先輩俳優の長塚京三さんからいただいたアドバイスなんです。時間がないのはもちろんのこと、演技や設定がデフォルメされている中で、役者としてどういう表現をしていくかが問われるという。僕も3度目ですが、まだまだ勉強になることがあります。子供たちにとっても、『明日ピカ』はいい経験になると思いますよ」

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