「模型については6歳くらい年上の近所のお兄ちゃんが木材などをくれて一緒に作っていたのですが、絵も近所のおばちゃんがきっかけで始めました。彼女は日本画の画家を目指していたのですが、戦争で挫折してしまった。ただ画材はたくさん持っていて、『ちょっと描いてごらん』と勧められて。『うまいね、すごいね』と褒めてくれるので、それがうれしくてどんどん描くわけです。戦後は遊ぶものが何もなかったのでね」
 そう語るのは、隔週連載『中山秀征の語り合いたい人』のゲスト、俳優・石坂浩二さん(74)。二科展に入選した経験もある絵画、クラシック音楽への造詣の深さ、料理、プラモデル制作など、多趣味で知られる石坂さん。そのひとつひとつがプロの域に達するほどの腕を持っている。そんな石坂さんが、“趣味を楽しみ、人生を楽しむ心得”を教えてくれました!

【1】は作り出すもの!
「アメリカのあるミュージカル女優の趣味は『ピッキングノウズ(鼻くそほり)』。『脚の毛のスクラップブックを作る』って人もいました。趣味はすでにある限定されたものでなくていいんです」

【2】集めるものは石でもいい!
「漫画家の横山隆一さんは砂漠の砂やピラミッドの破片など、世界中の砂や石の収集家。『○○交差点の石』など近所の石でも、拾ってくるのも楽しいし、時間がたつと絶対価値が出ますよ」

【3】継続は力なり!
「『なんでも鑑定団』(テレビ東京系)でお会いしたそば店の箸袋コレクターは圧巻でした。思いつきでやると長続きしないけど、誰も集めていないジャンルを見つけて収集すると続くのでは?」

【4】趣味とは、人とつながるためのもの!
「人と出会ったり、語り合えたり、『じゃあ私のもあげますよ』と交換もできる。しかも、何年たっても話題にもなる。趣味は人と人をつなげるコミュニケーションツールにもなるんです」

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