1月18日に生放送された『SMAP×SMAP』(フジテレビ)で5人揃って出演したSMAP。全員で謝罪した後、木村が最後に「これから自分たちは、何があっても前を見て、ただ前を見て進みたい」と約束した。
現在、SMAPがグループ、個人含めて出演しているCMは18本。テレビ番組は15本。1月から草なぎ剛(41)と香取慎吾(38)は連続ドラマの主演も務めている。絶大な影響力を持つグループの解散騒動は、まさに青天の霹靂。
あまりに巨大すぎるSMAPの存在感――。作家で、アイドル評論家の中森明夫さんが彼らの持つ“絶対的な存在感”について本誌に語った。
「私はふだん、女性アイドルについて評論することが多い。ですが、女性アイドルも男性アイドルもすべてひっくるめて、彼らについてはこう断言します。『SMAPは戦後最大のグループだ』と。今年で彼らはデビューから25周年を迎えました。これほど長い間芸能界でトップを走り続けたエンターテインメント集団なんて、聞いたことがありません。あの世界を熱狂させたビートルズでさえ、トップを走っていたのは10年弱。そういう意味では、ビートルズを超えたエンターテインメント集団とも言えるのではないでしょうか」
アジアのみならず、イギリスも報じるなど、世界をも震撼させたSMAPの解散危機。もはやその存在感の大きさは、彼らがコントロールできないほどになっていた。
「つまり、彼らはすでにただのアイドルグループという枠を超えたのです。象徴的な存在といっていいでしょう。いまや、解散という選択は、“彼らの一存だけでは決めることができない”のです。彼らは20年に開催される東京パラリンピックの応援役に任命されました。それは彼らが、日本にとって“社会的な存在”であることを意味します。極めつけは、ファンによるツイッター上での“シングル購買運動”の呼びかけ。日本の社会が、そしてなによりファンが、簡単に解散することを許さないのです。そして、それほどまでのグループになったことを、SMAP本人たちも自覚しているはずです」
それほどの存在はどのようにしてできあがったのだろうか――。中森さんは、過去を振り返りながらこう語る。
「思えば、SMAPというのはとことん異色な存在です。結成されたバブル末期の88年は、まさに“アイドル冬の時代”。’89年に『ザ・ベストテン』(TBS系)が、’90年には『夜のヒットスタジオ』(フジテレビ系)が終了しました。人気音楽番組が次々と終わっていく時代に、彼らは、スタートしたのです」
そこで彼らは『夢がMORIMORI』(フジテレビ系)というレギュラー番組開始以降、バラエティ番組に活路を見いだすこととなる。今のバラエティ番組などで活躍するというアイドルの“あたりまえ”の形は、まさにSMAPが作ったもの。SMAPは“あたりまえ”のように時代のトップを走り続けた。デビューから25年経った今でも、テレビで見ない日がないほどに――。
「SMAPは国民的グループ。永遠に存続するものだと信じて疑いませんでした。まさか新年早々にそんな報道が出たのは本当にショックで……。なんとか存続してほしい、ただそれを祈るばかりです」(ファン女性)
中森さんは、SMAPの存在感に、ファンをはじめ国民はある意味“麻痺”していたのかもしれないと語る。
「今回の騒動は、当たり前のようにそこにいる彼らが、いかに偉大な存在なのかということを再認識させるという出来事でした。多大な苦労を経てトップまで登り詰めた“プライド”を持つ彼らは、簡単に解散という選択はとらないでしょう」
“ナンバーワン、そしてオンリーワン”。彼らは私たちにとって、そんな存在なのだ。