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2月21日、東京都内で行われた勉強会で、細木数子(77)はこう語った。

 

「いま安岡正篤先生(※細木が師事した思想家)の菩提寺を京都・嵯峨野の一等地に建設中です。あと1年数カ月で完成。それが終わったら私は引退しようと思っています」

 

費用はなんと70億円だという。工事現場の掲示板には、細木がオーナーを務めている会社のほかに、京都市にある宗教法人・K寺の名前が……。実は、彼女は巨大寺院建築の前に、この宗教法人・K寺も買収していたという。東大阪市在住の男性・I氏(87)がこう証言する。

 

「ある人の紹介で、細木はわしのところに相談に来た。用件?K寺を売って欲しいという話やった。彼女が持っている以前は料亭だった建物で“取引”したんやけど、話がまとまったら、お金をポンと全額振り込んできたな。値段は5千万円やった。細木にしたらどうってことないわな」

 

I氏はいくつかの寺を所有しており、K寺もそのうちの1つだった。K寺の現在の代表は、公式的にはA氏という男性になっていた。近所に住む彼の知人は言う。

 

「Aさんは60代後半です。以前は滋賀県庁に勤めていましたが、退職したころから、こちらにはほとんど帰ってこなくなりました。ご夫婦で細木数子さんに心酔していたようで、いまは細木さんの仕事を手伝っているそうです。お寺の代表ですか?いやAさんが仏教の勉強や修業をしていたとは聞いたことがないですね……」

 

宗教法人を手に入れるメリットについて、アディーレ法律事務所の篠田恵里香弁護士が解説してくれた。

 

「宗教法人になることで、法人名義で土地や建物などの財産を取得できる、所有する土地建物に税金が課せられない、法人税率が低い……、などのメリットを得られます。また墓地の経営も単なる宗教団体には許されていませんが、宗教法人ならば、都道府県知事の許可があればできるようになるのです」

 

多くの優遇措置を受けられるという宗教法人だが、設立のためには書類提出や厳しい審査が必要で時間もかかる。前出のI氏が続ける。

 

「そら、細木がいまから宗教法人を設立しようとしても、難しいよ。最近はそんなに簡単に認められへん。だからわしから買ったんやろうね。K寺は“単立の寺”やしな」

 

単立の寺とは、本山を持たず、独立している寺のことだという。

 

「一般的な寺は宗派や教義があって、そこの住職になるときは本山から任免状をもらわなければいけない。でも単立の寺なら、誰が代表でも、どこからも文句は来ないし、教義なんかも自分の好きなようにできるんや」

 

細木には3千人の“信者”がいるというが、いまはあくまで占い師とその信奉者にすぎない。しかし宗教法人を手に入れることで、いわゆる“細木教”を広めることも可能だというのだ。宗教法人買収、そして大寺院建設は、“真の教祖”になるためのステップなのか。細木の会社に取材を申し込んだが、「担当者は打ち合わせ中」と、繰り返すばかりで締め切りまでに回答はなかった。

 

東京での勉強会で細木は、こうも語っていた。

 

「これからの子供たちは地獄絵巻のような日本で生きていくことでしょう。それをできるだけ防がなくちゃいけない。私は、生きているうちにみなさんを助けたいんです」

 

すでに77歳、自分の余命は4年とも公言している細木だが、“最後の悲願”に向かってばく進中のようだ。

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