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女優・羽田美智子さんが、書籍『羽田美智子が見つけた沖縄 すてき、ひとめぐり。』(光文社)を発売し、4月23(土)、東京・新宿の書店「STORY STORY」で、発売記念トークショー&サイン会を行いました。

 

5年前、結婚をきっかけに沖縄に居を構えた羽田さん。書籍では、旅とはまた違う目線で、沖縄のうつわ、布、カフェ、自然など、さまざまな”すてき”を紹介しています。「沖縄という土地は、都会でいつの間にか重装備した心にかぶさる服を、1枚1枚やさしくはがしてくれるんです」と話す羽田さんの、素の表情が満載の1冊には、水中カメラマンである夫・広部俊明さんが撮影した羽田さんのダイビング写真も掲載されています。

本を購入した50人のお客さま限定で行なわれたトークショーをレポート

――今回、このような沖縄の本を出そう思われたきっかけは?

夫が、年の半分以上、沖縄で仕事をしているので、結婚を機にときどき訪れるようになって、というのがきっかけですね。それまでは旅する目線でしたが、旅行とは違う、暮らすような目線になって沖縄を見たとき、「ああ、こういう町だったんだ」って。自分で車を運転していろいろまわっているうちに、点だった情報が、この5年間で線になってきたなあと思って。

 

――この本の中で、特に印象に残っている場所は?

ずっと会いたかった人がいて、大嶺實清先生という、うつわの巨匠がいらっしゃるんですね。風貌は、西田敏行さんを、もっとほわほわってさせた感じというか(笑)。ペルシャブルーといわれている青いうつわが有名な先生で。本にも書きましたが、結婚の引出物を選ぶとき、せっかくだったら沖縄っぽいものがいいなと思って。そのペルシャブルーのうつわを贈ろうって決めて、ひとりで大嶺先生の工房に訪ねたのが最初の出合いでした。

 

――羽田さんにとっての沖縄はどんな場所?

東日本大震災のとき、あの揺れを経験して、じつは私、精神的にすごくまいっちゃったんですね。日本はこれからどうなっちゃうんだろうな、っていう不安だったり、なんともいえない気持ちになってしまって。そんなとき、「ちょっと気分を変えるために沖縄においでよ」って誘っていただいたのがきっかけで。那覇空港に着いたら、南国の湿った空気と温かい風を受けて、「ああ、私、心身ともに冷え切っていたんだなあ」って実感したんです。1枚1枚、服を脱ぐように解放されていくのを感じました。ビーチで寝そべって空を見ていたら、雲がいっぱい出てきて、ああ、自分は自然の中に生かされているんだなあって思って。地面が揺れても、空から何か降ってきても、私はその中の一部なんだと。人って、知らず知らずに緊張している気がするんですよね。特に、都会で暮らしていると、ちょっとしたことでも緊張につながって。だから、どこかで緩めないといけないなあって。沖縄に「なんくるないさ」って言葉がありますよね。あれって、いろんなことが起きるのが前提で、でも、「何があっても大丈夫」って意味だと思うんです。

 

20分ほどのトークショーは、羽田さんのほがらかな声が会場を包み込み、終始アットホームな雰囲気ですすみました。そしてそのまま、お客さまからの質問コーナーへ――

 

――羽田さんがいちばんおすすめしたい場所は?

古宇利島は、絶対に行ってほしいですね。島にかかる橋を渡っているとき、絶叫するはずです。本当に感動するので(笑)。近くに美ら海水族館がありますし、瀬底島に沈む太陽もすごくいいんですよ。

 

――本の中で、羽田さんのいちばん好きな写真は?

大嶺實清先生のギャラリーで撮影したは写真は好きですね。これは奇跡的な瞬間で。みなさん、こんなふうに寝っ転がったりしないですよね(笑)。でも、この写真を撮る前のお話が、「人間は、どんどん土に帰る」という流れだったんです。「どんどんどんどん、自然になっていったらいい」と。先生ご自身、作陶においても、いろいろ飾る時代はもう終わって、土がむき出しになったような焼物が、今、いちばん興味があるっておっしゃったんですね。「人間でも何でも自然がいいんだ」というひと言を聞いて、私も、自分の家にいるようにくつろいじゃえ〜って(笑)。そうしたら、先生が「おお、そのポーズがいいね!」ってほめてくださった、その瞬間の顔なんですよ。「ここでそんな格好をした人はいないよ(笑)」って。

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あとは表紙ですかね。これも流れの中で、ある一瞬を切り取ったというか。木工作家さんの工房でお茶をいただいているとき、カメラマンさんが「あっ、かわいい」って言って撮ったもので。沖縄の本としては、ブルーとかオレンジとか華やかなものを持ってきたほうがいいに決まっているのに、わざわざこの写真を表紙に持ってくるほど(笑)。

 

――ご主人が撮影した写真がありますが、おふたりはどんな夫婦?

変わった夫婦でして、東京と沖縄で離れて暮らしていますので、実質、年に2カ月会っているかどうか、っていう感じなんですね(笑)。ただ、電話連絡はマメにしていて。まあ、夫には、思ったことを何でも言えるっていうのがいちばんですね。本当、自由な人なので、水中生物と結婚したと思っています(笑)。

 

羽田さんと沖縄のなれそめから、素敵な人々との出会い、プライベートの秘話まで、話題も多岐に渡ったトークショー。続くサイン会では、ファンひとりひとりと楽しい会話を交わした羽田さん。「みなさんからパワーをもらった」と笑顔満開でした。

 

――最後にみなさんにひと言

私に何か才能があるとすれば、その場所が持っている本質とか長所、そして、初めてお会いした方のいいところがわかることだと思っているんですね。その町に暮らす人にはわからない、その土地の美点というか、もっとこういうものを伝えていったらいいのに、っていう思いがずっとあって。それで今回、沖縄の本を書かせていただきました。沖縄って、本当に優しい人たちの島なんです。’11年の震災の後に訪れたとき、「大変だね、大丈夫? ここでゆっくりしていったらいいよ。知り合いの人を連れておいで。大変なのがわかるから、沖縄はみんな応援しているよ」って、みんなが声をかけてくれた。おそらく、今回の熊本の地震についても、同じように心配してくださっていると思います。この本で、そういう島の素敵なところが伝えられて、誰かのためになったらいいなあ、って心から思います。これから日本がいい方向に向かっていけばいいなあ、って本当に祈っています。今日は、このようなトークショーをさせていただいて、心から感謝申し上げます。ありがとうございました。

 

『羽田美智子が見つけた沖縄 すてき、ひとめぐり。』発売中!

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結婚をきっかけに、沖縄に居を構えた羽田美智子さんの『女性自身』で2年にわたって紹介してきた“沖縄のすてき”が1冊の本『羽田美智子が見つけた沖縄 すてき、ひとめぐり。』(光文社・1,296円)となって4月18日より発売。

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