「天文学的数字です……」
そう語ったのは、「野党統一候補なら」と東京都知事選への出馬の以降を示した石田純一(62)。その結果、スポンサーからCM差し替えなどによる巨額の違約金を請求されたとして話題となった。結局11日に出馬は断念したものの、3億円ともいわれる都内の豪邸を売ることも考えるほどの事態となった。
「出馬すると、公職選挙法によりCMが流せなくなってしまいます。テレビCMは3日前までに予定を決めなければならず、そのため告示日である14日より前に進退を決める必要があったのです」(広告代理店関係者)
そんな“やっちまった”芸能人は石田だけでない。過去にも多くのスキャンダル芸能人たちの巨額違約金が報じられてきた。
黒木メイサ(28)は12年2月に赤西仁(32)とデキ婚。それが事務所にも事後報告だったため、大事故へと発展した。当時6社とCM契約をしていた黒木が事務所に与えた損害は6億円で、それをまだ彼女が返済しているとも報じられている。また3位の赤西もペナルティとしてツアー中止による違約金4億5千500万円を払うとも報じられていた。つまり夫婦で10億円以上もの巨額違約金を抱えかねないピンチに陥っていたのだ。
金額はあくまで報道をもとにしたもので、実際に支払われるかどうかはクライアントと事務所による協議の上で決定する。だがその金額の大きさは石田の「数千万円」が比にならないほどの巨額なものだ。
「差し替えは同じ商品の別バージョンがあればそれを流し、ない場合は自社の別CM、それもなければAC(公共広告機構)のものになるのですが、後者になるにつれて損害は大きくなる。そのためクライアントは事後報告を何より嫌うのです。また大手芸能事務所の場合はクライアントや代理店も“今後のお付き合い”を考えて穏便に済まそうとしますが、タレントが事務所に背信行為をすると後ろ盾も期待できません。その場合、タレント本人が巨額の違約金を支払うことになります」(前出・広告代理店関係者)
違約金対象となる事項は契約時にあらかじめ細かく決められており、内容はケースバイケース。だが、たいていの場合盛り込まれる“絶対NG”なものもあるようだ。
「商品イメージを損ねる行為がダメなのはもちろんのこと、『犯罪や薬物など法を犯した場合』や『反社会的勢力との交流』などは即アウト。『公の場での政治的・宗教的思想が強い発言』なども禁止されることが多いです。そのほか不倫や経歴詐称などは細かく禁止事項として書かれていることが少ない。ただ『公序良俗に反する行為』に含まれると判断されてしまうため、“スキャンダル系”も実質的には広く違反対象となるケースが多いようです」
09年に覚せい剤事件で逮捕された酒井法子(45)が5億円、11年に暴力団との交際により芸能界を引退した島田紳助(60)が3億円など、巨額の違約金が取りざたされたのもそうした禁止事項に触れているためだ。
「売れっ子タレントは抱えているクライアントも多いため、問題が起きたときの損害も巨額になります。違約金の大きさは、芸能人の人気と比例しているともいえるでしょう。つまり、タレントの人気が出れば出るほど“身動きが取りづらい状態”になっていくのです」(前出・別の広告代理店関係者)