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「#SMAPは終わらせない」「#世界に一つだけの花」……こうしたハッシュタグのもとSNS上から広がったファンの購買運動。それにより、SMAPの楽曲『世界に一つだけの花』のオリコンCD累積売上枚数はついに300万枚を突破した。さらには同曲が収録されたベスト盤『SMAP 25 YEARS』も初回出荷80万枚を超えるなど、12月31日の解散を前にして異様な盛り上がりを見せている。

 

またこちらも先日発売となった『SMAPと平成ニッポン―不安の時代のエンターテインメント―』(光文社新書・太田省一著)によると、SMAPの代表曲の一つでもある『世界に一つだけの花』には知っておくべき5つの秘話があるという。

 

(1)草なぎ剛は売れると思ってなかった

 

草なぎ剛(42)が主演した『僕の生きる道』の主題歌にもなっている同曲。2015年9月23日の『MUSIC STATION ウルトラFES』でタモリ(71)に「ヒットすると思ってた?」と尋ねられた際、「僕は正直、そんなに思わなかったですね」とあけすけに答えている。

 

(2)デモテープに鳥肌が立った木村拓哉

 

木村拓哉(44)は、自らのラジオ『木村拓哉のWhat’s UP SMAP!』(2012年11月23日)で同曲の秘話を告白。作詞・作曲の槇原敬之(47)が謳う同曲のデモテープを聞いたとき、「ホント、鳥肌が立った」と語っている。

 

(3)21世紀に入って一番売れたCDシングル

 

オリコン調べ。発売された2003年だけでも、211万枚のダブルミリオンセラーを達成している。さきほど触れたように、現在の売り上げは300万枚を超えている。

 

(4)紅白での歴史的快挙

 

SMAPは2003年『NHK紅白歌合戦』でが大トリを務め、同曲を歌っている。50年以上の紅白の歴史のなかで、グループ歌手による大トリはこのときが初めてだった。

 

(5)あの日は「1月14日」

 

SMAP解散阻止というファンの意志を表明するように、『世界に一つだけの花』が突如チャートに登場したのは2016年1月14日(「分裂・独立」危機が一部スポーツ紙から伝えられたのが、1月13日)。

 

いまやSMAPとファンとの絆になっている『世界に一つだけの花』。『SMAP×SMAP』最終回でも、同曲が歌われることになっていると報じられている。解散によって”封印”も噂されているが、儚くも私たちとSMAPとの絆は断ち切られてしまうのだろうか。

 

『SMAPと平成ニッポン』光文社より発売中(税込799円)

 

 

太田省一(おおた・しょういち)

1960年生まれ。社会学者、文筆家。東京大学大学院社会学研究科博士課程単位取得満期退学。テレビと戦後日本の関係が研究および著述のメインテーマ。それを踏まえ、現在はテレビ番組の歴史、お笑い、アイドル、ネット動画などメディアと文化に関わる諸事象について執筆活動を続けている。著書に『芸人最強社会ニッポン』(朝日新書)、『中居正広という生き方』『社会は笑う・増補版-ボケとツッコミの人間関係』(いずれも青弓社)、『紅白歌合戦と日本人』『アイドル進化論-南沙織から初音ミク、AKB48まで』(いずれも筑摩書房)、共編著に『テレビだョ! 全員集合-自作自演の1970年代』(青弓社)などがある。

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