5月8日、滋賀県・大津市で軽乗用車が保育園児の列に突っ込む事故が発生。園児2名が死亡した。同日夕方に保育園は会見を開いたが、参加した記者たちの態度に非難の声が集まっている。
会見に出席した園長は園児たちを亡くした悲しみのあまり、当初からうなだれて嗚咽を漏らしていた。そんななかNHKの記者は「園長先生におうかがいしたい」と指名し、「亡くなった園児はどんな子どもだったのか」と質問。園長は園児を思い出し、答えながらもタオルで顔を覆い泣き崩れた。またテレビ朝日の記者も園長を指名し、「被害を受けた園児にどう声をかけたいか」と問いかけた。すると園長は「痛い思いをさせてごめんなさい」と涙ながらに謝罪した。
会見では園長が「何も言えない」と、悲しみのあまり答えることを拒否するシーンも。また同席者が代弁する場面もあったが、園長を指名しての質問は会見で頻発した。
「事故当時、保育士たちは園児たちとともに信号待ちをしていました。保育士たちは園児たちを歩道の奥に置き待機していたといいます。そこに車が突っ込んできたわけです。保育園も痛ましい事故で園児たちをなくした被害者でしょう」(テレビ局関係者)
今回の会見がテレビで放映された途端、各界でも異を唱える声が噴出した。教育評論家の尾木直樹氏(72)は同日に「保育園には何の非もありません!」というタイトルのブログを更新し、「とても見てられませんでした」とコメント。さらに「保育園の先生方は 明らかに被害者」「衷心よりお見舞い申し上げます」とつづった。
立憲民主党の蓮舫副代表(51)も9日Twitterで、《園長先生への立て続く質問が急がれるものだったのでしょうか》と投稿。また散歩前の園児の様子を訊ねる質問もあったために《あの場で聞くものなのだろうか》ともつづった。
また、つるの剛士(43)は8日《被害に遭われた保育園の園長先生の記者会見みてられない。悲しみの真っ只中の記者からの質問攻め、見てられない》とツイートし、続けてこうつづった。
《子供に優しくない社会に未来はない。保育園の先生方、いつも他人の子をみてくださって本当にありがとうございます》
保育園サイドを擁護し、感謝の思いをつづったつるの。同ツイートは10万回近いリツイートと33万回以上の“いいね”を記録。賛同の声が集まっていた。
またTwitterでは今回の会見を受け、保育士たちを慮る「#保育士さんありがとう」というハッシュタグが話題を呼んでいる。そこでは今回の事故や会見で保育士たちが傷ついたり萎縮しないよう励ますために、感謝の思いがつづられている。
《うちの6歳児、1歳の頃から保育園通ってて、トイレもごはんのマナーも、文字も、髪の結び方も、年下の子への優しさも、みんなと協力する大事さも、保育士さんが全て教えてくれ、知らない間になんでも自分で出来る子になりました。卒園した今も感謝でしかないです》
《命を預かり、神経をすり減らしながら温かい目で子どもたちを見てくれて頭が下がります。今回の事故で負った心の傷がなるべく早く癒えますように》
さらにハッシュタグに勇気付けられた保育士たちからの《このハッシュタグは 保育士として素直に嬉しい どうか事故にあった保育士も 自分を責めないでほしい》《同じ保育士としても日々向き合いかたを学ばせてもらっています。一緒に頑張りましょう》といった声も上がっている。
「#保育士さんありがとう」はトレンド入りし、現在5万6,000件近いコメントが集まっている。