先日、お笑い芸人『ガンバレルーヤ』よしこさん主演映画『Bの戦場』の追加キャストが発表されました。映画のキャッチフレーズは『“絶世のブス”が贈る、痛快お仕事コメディ!』。よしこさんが演じるのは、超絶ブス(だけど気立てがめっちゃいい)役柄。そんな彼女が2人のイケメンから求婚されるというストーリーです。
最近は彼女に限らず、人気になった女性芸人がドラマや映画に出演するというニュースをよく見かけます。ただその姿は意外と一過性のもの。むしろ男性芸人が俳優業にシフトし、気づけば俳優として広く認知されている人がいるのに対し、女性芸人はあまりそういった前例がないのはなぜなのでしょう。
■芸人から俳優は“あるある”の道。だけど……
例えば男性の場合、大御所俳優竹中直人さん(63)は元コメディアンでした。今や刑事ドラマなどで欠かせない名脇役・田口浩正さん(51)も、元お笑い芸人です。最近でいえば元キングオブコメディの今野浩喜さん(40)や、ドランクドラゴンの塚地武雅さん(47)。ほっしゃんこと星田英利さん(48)も、俳優業が主軸になってきている印象です。
男性の場合は芸人から俳優業へ方向転換する例がいくつも探すことができるのですが、女性芸人の場合はちょっと異なる事情が見え隠れします。過去にはピンクの電話の竹内都子さん(57)などの例はあるものの、女性芸人ではこうしたシフトチェンジがほとんど見当たらないのです。
若手とよばれる人気女性芸人たちが次々と女優業に進出する姿は、ニュースで目にします。しかし、多くが単体での話題のみ。最近では『珍獣ハンター』ことイモトアヤコさん(33)が女優として評価を集めつつあったり、森三中の大島美幸さん(39)が第18回ファンタジア国際映画祭で最優秀主演女優賞を受賞しています。
とはいえお2人ともまだまだバラエティ番組への出演が多く、芸人のイメージが強いのが実情です。
芸人から俳優業へ。それを叶える女性が少ないのは単純に芸人の男女比率の差もあるとは思うものの、ドラマの世界ならではの“女の難しさ”もあるのかもしれません。
■ライバルの女性脇役には美人(美形)が多い?
そもそも芸人さんがドラマや映画に出演する場合は、コメディものでない限り“主人公を支える脇役”に落ち着きます。その際に男性芸人の場合は二枚目俳優美形とはいえなくても個性的と称賛され、価値が見出されている気がします。
しかし女性芸人の場合、ちょっと事情が違うような気がします。というのも女性脇役の人々にも個性派と呼ばれる人がいるものの、基本的にはよく見るとみんな美人(美形)なのです。もちろん一部の例外的な女優さんもいるでしょう。ただやはり“普通”な女性芸人が脇役として活躍し続けるには、ハードルは高くなりがちだと思います。
女性芸人の場合、その明るさが芸人の域を超えてバラエティや情報番組で重宝される側面もあります。なので、一概にこうした男女の差が悪いこととも思いません。ただじっくりテレビを観ていると、こうした芸人としてのポジションのとり方の違いに気づきます。
それは時代とともにだんだんと変化していくもの。それがまた、見ていて面白いなとは思うのですが……。