女優の室井滋(60)が9月6日に放送された「ダウンタウンなう」(フジテレビ)に出演した。そのなかで映画監督・長谷川和彦(73)との30年以上にもわたる事実婚生活を明かし、ネットで話題を呼んでいる。
長谷川監督は76年に映画「青春の殺人者」と79年に「太陽を盗んだ男」を手がけ、両作とも高い評価を獲得。しかしそれ以降、監督作がないために“伝説の映画監督”と評されている。
番組で室井は人気企画「本音ではしご酒」に登場し、長谷川監督との事実婚状態について話した。その共同生活は30年以上にもわたるというが、「事実婚のつもりもあんまりないです。長いですけど、長いのもしょうがないよね」とコメント。入籍した方が安心ではという質問に対し、「別に安心はいいです。どこかに行かれても全然OKなんで」と笑い飛ばし、さらに松本人志(55)が「別れようとは思わないんですか」と訊ねると「どうやって別れたらいいんですか?」と発言していた。
室井の発言に、ネットでは《監督が室井さんと事実婚だったとは驚きです》《互いに自立している男女なら事実婚は居心地良さそう》《室井滋事実婚30年以上ってことはやっぱり猫が好きやってたころは既にってことやね》といった声が上がっている。
「ダウンタウンなう」では独特の“室井節”を披露していたが14年7月、本誌に登場した室井は長谷川監督を軸に“家族”について率直にその思いを明かしている。
室井の父はもともと英語の先生だったが、「小説を書きたいから」という理由で退職。しかし、なかなか執筆業がうまく軌道に乗らなかったためにお酒で気を紛らわした。そのことで母と不仲となり、のちに離婚。室井は父に育てられることとなった。
ギャンブルも手を出した父だったが、作品が日の目を見るまえに48歳で死去。しかし室井は「映画や芝居を見たり、本を買うなら小遣いはいくら使ってもいい」などと女優としての素養を育ててくれた父について「世間的には“だめな人”だったかもしれないけれど、私はずっと“立派な父”と思っていました」と回想した。
そうした境遇を話し終えた後、長谷川監督について「父と重なるところがすごくあるんです」と話した室井はこう語った。
「私は『世間体がどう』とか、『世の中の常識はこうだ』とか言う人は、たぶん好きじゃないと思うんです。亡くなった父は、そう言うことを絶対言わない人でしたから」
続けて室井は「世間の評価はわかりませんけれど」と前置きしながらも、長谷川監督について「本当にまじめで、とても勉強家。今も脚本を書いていて、できあがると『ちょっと読んでくれ』と言われるんですけど、見ると1千枚を超す原稿だったりして。『読めない、こんなの』って言うくらい(笑)」「だから、私とはちょっとスケールが違うというか……」と述べた。さらに長谷川監督の“安心感”について、こう語った。
「たまに私が本当に迷って、意見を聞くと、実に的確な答えが返ってくるし、一緒にいてくれることで安心したり、ほっとすることはすごくあります。もし彼がいなければ、私は一人ですから」
結婚でなく“事実婚”を選んでいる2人。その理由を室井は「子供ができていたら“結婚”を考えたでしょうね。でも、残念ながらできなかった。そうなると籍を入れる必要は全然ないわけ」と述べ、長谷川監督について「どういう存在かといえば……やっぱり、家族です。年がひと回り近く違うから『旦那』というより『お父さん』かな」と語った。
2人で“お墓”の話題もするという室井は、こんなやりとりを明かしている。
「『おまえ、どうするんだ?』と言うから、私は室井家の跡取りだから、私が建て直した室井家のお墓に入る。『父ちゃんも一緒に入ったら』と言うと、『いやだ。俺は猫と一緒に入れる墓を建てる』と」
室井は「彼が取り寄せたペットと一緒に入れるお墓のパンフレットがいっぱいあるの。もう勘弁してよ、というくらい(笑)」と話しながらも、こう結んでいた。
「お墓は一緒でなくても、現世では、これからもずっと、こぴっと(しっかりと)彼と一緒にいたいと思っています」