昨年11月に麻薬取締法違反で逮捕された沢尻エリカ被告(33)の初公判が1月31日に行われた。12月6日に釈放されたからは、都内の病院で療養生活を送っていた沢尻。逮捕後から公判まで沈黙を貫いた彼女だが、世間の目は当然、冷ややかなものだった。
「沢尻さんが物語の鍵を握る濃姫役として出演予定だった大河ドラマ『麒麟がくる』(NHK総合)は、撮り直しを余儀なくされました。そのほかにも多数抱えていたCMも全て打ち切られ、多方面に多大な損害を与えることに。事務所には連日、沢尻さんへの抗議の電話が殺到していたようです」(テレビ局関係者)
そんななか迎えた公判。沢尻は上下黒のパンツスーツに身を包み、黒髪をしっかり結んだポニーテール姿で入廷。冒頭で裁判官から職業を問われた彼女は、断固とした口調でこう答えた。
「無職です」
起訴内容を全面的に認め、病院の主治医や沢尻の兄が証人として登場。そして、被告人質問を最後に迎えることに。冒頭、沢尻は「今回、逮捕されたことで関係者に多大な迷惑をおかけしました」と、深々と謝罪。降板した『麒麟がくる』への思いも口にした。
「撮影中の作品も撮り直しを余儀なくされ、キャストやスタッフの方に負担をかけてしまいました。経済的にも大きな損害を与えて、本当に申し訳なく思っています」
そして、弁護人から俳優への復帰について問われた沢尻から驚きの言葉が飛び出した。
「女優への復帰は考えていません。影響力のある立場の人間としてあまりに身勝手な行為で、多くの方を裏切り、傷つけてしまいました。復帰する資格はないです」
沢尻が放った“女優引退宣言”。殊勝な答弁に徹した沢尻について、元埼玉県警捜査一課の佐々木成三氏はこう分析する。
「沢尻さんは薬物を常習していたことを明かすなど、自分に不利益な情報を次々と明かしています。これは沢尻さんの“薬物を絶ちたい”という強い意思表示だと思います。また積極的に罪を認め、捜査に協力することで情状酌量が認められやすくなります」
しかし、沢尻の答弁には“したたかな思惑”も隠されていた。沢尻をよく知る音楽関係者は言う。
「否定していましたが、沢尻さんはひそかに女優復帰を考えているといいます。今回の公判も、そのための布石でしょう」
逮捕直後から、沢尻の用意周到な戦略は始まっていた。
「沢尻さんは、警察の取調べに対しても一貫して自らの非を認めてきました。入院中も、仕事関係者や弁護士と公判での答弁について、綿密に打ち合わせをしていたといいます。友人との連絡を全て絶ち、ほとんど外出もしなかったそうです。裁判で、“強く反省している”姿勢をアピールすることで、世間を味方につけたいという狙いがあるのでしょう」(前出・音楽関係者)
あるテレビ局関係者は言う。
「沢尻さんの演技力やキャラクターを評価する声は業界内でもいまだ根強いです。イメージを重視する国内の地上波や映画に沢尻さんが再び出演するのには時間がかかるでしょう。しかし、Netflixといった海外資本の動画配信サービスが沢尻さんにオファーを出す可能性は大いにあるでしょう」
実際、沢尻の“戦術”は早くも功を奏している。公判後、SNS上では沢尻の復帰を待ち望む声が相次いでいた。
《潔い! 好感もてる。ぜひ復帰してほしい》
《間違いのない人間なんていません 1日も早い復帰を望みます》
沢尻には、虎視眈々と“その時”を狙う深刻な理由があった。
「沢尻さんはCMや大河ドラマを降板したことで、多数の賠償請求を抱えることになりました。その額は芸能界史上最多クラスの20億円ともいわれています。これまでたくさん稼いできた沢尻さんですが、浪費家でもあるので貯金はあまりないそうです。“借金”を返済するためにも、再び女優業で稼ぐしかないのです」(前出・音楽関係者)
’07年に主演映画の舞台挨拶で悪態をつき、一時期仕事を失っていた沢尻。その経験について、彼女は昨年、こう振り返っていた。
《大失敗して女優としていい時期に3年も休んだ私だけれど、自分だけは信じていたんだと思う。自分が自分を信じてあげないと絶対にダメだと思う》(『Numero TOKYO』’19年10月号)
果たして、沢尻の未来は“無職”か“女優”か――。
「女性自身」2020年2月18日号 掲載