「正確な情報を手に入れたい」「不安な気持ちを落ち着けたい」ーー。今までにない特殊な状況に置かれてしまった私たちの、そんなニーズに応えてくれるのは、アナウンサーたちの言葉!
コロナ禍で多くの人が報道を注視するなか、日本テレビ系の夕方のニュース番組『news every.』のメインキャスター・藤井貴彦アナ(48)に支持が集まっている。
「不用意に生活エリアを越えた移動をしないこと。これが誰かのふるさとを守ることにつながります」
「おうちにいる。人との距離を保つ。それだけで社会貢献になっています」
「ささくれだった言葉で自分自身を汚さないように。心でコロナウイルスに負けてはいけません」
こんなコメントとともに、連日、新型コロナウイルス感染拡大のニュースを報じているのだ。
「自らを“ディスタンスおじさん”と名乗り、“人との距離を保とう”と熱心に呼びかけています。思いやりにあふれ、ユーモアのある言葉選びに親近感を覚える視聴者は多いようです」(スポーツ紙記者)
インターネット上では“藤井コロナ語録”などと呼ばれ、
《今日の藤井語録、涙が出ました》
《勇気、出ました。頑張るぞ》
《心が温かくなりました》
と、SNSなどで盛んに引用され、拡散されている。
「藤井アナの支持のされ方は熊本地震のときの武田アナに似ていると思います」(別のスポーツ紙記者)
そう名前が挙がったのは、『クローズアップ現代+』のキャスターであるNHKの武田真一アナ(52)。熊本市出身の武田アナは、’16年の熊本地震の報道で、《ふるさとで多くの方が犠牲になり、そして多くの方々が絶え間なく続く地震におびえながら、また今夜も明かりのない夜を迎えることを思いますと、胸が締めつけられます》と心情を吐露し、災害を乗り越えようと呼びかけたことが話題に。
「視聴者やつらい思いをしている立場の人と同じ視点に立って呼びかけを行う、というのはいま藤井アナがやっていることと同じ。武田アナは、最近、コロナを取り扱った『NHKスペシャル』でも、ご遺族の様子に涙ぐむ場面があり、視聴者の共感を呼んでいました」(前出・スポーツ紙記者)
また、藤井アナがニュースを読んでいるのと同じ時間帯にTBS系で放送されている『Nスタ』のキャスター・井上貴博アナ(35)も、コロナ報道で好感を集める1人だ。
《私たちテレビにできることは本当に微々たるものです。むしろみなさんにストレスをかけてしまったり不安を増幅させてしまったりというところがあると思います》
とは、5月のある日の言葉。
「彼は優しい物言いで視聴者の気持ちを代弁するタイプ。30代独身なのも女性視聴者のポイントが高いようです(笑)」(テレビ誌記者)
派手で目立つ言動よりも、誠実で共感できる言葉が支持される。その背景には、「いまの気持ちを分かち合いたい」と望んでいる世の人々の思いがあるのだろう。
「女性自身」2020年6月9日号 掲載