「三回忌って言われて改めて振り返ってみると、本当にあっという間に時間はたっちゃってるんだなという気持ちですね。その日は何かをするわけではなく、もう家族のなかだけで、静かに祖母や祖父(内田裕也さん・享年79)をしのぼうと思っています」

 

雅樂の母・内田也哉子(44)は、生前、希林さんの“遺言”についてこう語っていた。

 

《母はね、「大きな葬儀はやらなくていいよ」と言っていたんです》(『この世を生き切る醍醐味』朝日新書)

 

雅樂のモデルデビューに際して、本誌’18年7月17日号で訪ねたときには、「モデルデビュー決断の経緯? そのへんは全然わかりませんねぇ。いつごろ決めたのでしょう」と、けむに巻いていた希林さん。

 

しかし、実際には希林さんの言葉がモデルを目指す後押しになったと雅樂は明かしてくれた。

 

「亡くなる1年前くらいですね。自分がモデルを始めようか迷ってるとき、おばあちゃんが声をかけてくれたんです。『いいかい、モデルってのは自分を客観的に見る仕事でもあるからね。新しい視点で勉強にもなるし、面白いんじゃないかい?』って。また『人の作った洋服やモノを身につけ、それも輝かせなければならない。それを活かすも殺すもあなた次第』とも言ってくれました。

 

そのおばあちゃんの一言が、心を決めた大きなアドバイスになりました」

 

──素敵なおばあちゃんですね、本当に。

 

「はい、大好きなおばあちゃんでした。晩年までいろんなことに興味を持っていて。よく言っていた『なんでも面白がりな』という言葉は今でも強く、僕の胸に残っています」

 

雅樂の胸に刻まれた希林さんの“3年目の遺言”。最後に天国の希林さんへのメッセージを尋ねると、少しのを経て、雅樂はこう語った。

 

「うーん、それは難しいなあ。もちろん感謝はあります。妹や弟、それに僕にとっては本当に普通の優しいおばあちゃんでしたから。おばあちゃんは家族の誰からも愛されていて……。

 

だから、やっぱり『ありがとう』かなぁ」

 

愛車だけでなく、遺志も受け継いだ孫の活躍を今日も希林さんは笑顔で眺めていることだろう。

 

「女性自身」2020年9月29日・10月6日合併号 掲載

【関連画像】

関連カテゴリー:
関連タグ: