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育った場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう! わかる」って盛り上がれるのが、青春時代にはやったドラマや歌の話。同世代の女性と一緒に、“あのころ”を振り返ってみましょうーー。

 

「’80年代に限らず、メジャーデビューした’78年から現在に至るまで、コンスタントにヒット曲を出し続けています。そのため、固定ファンに愛されるだけでなく、時代を追うごとに、新たなファンが“上乗せ”されていくから、これほど息の長い。まさに不世出のバンドですよね」

 

そう語るのは、世代・トレンド評論家の牛窪恵さん(53)。サザンオールスターズは、デビュー当時から、テレビ番組で強烈なインパクトを放った。

 

「“夜ヒット”(フジテレビ系)では、メンバー全員がジョギングパンツとタンクトップ姿で登場し、『勝手にシンドバッド』を熱唱。Tシャツにジーパン姿のフォークシンガーはいましたが、それをはるかに上回るラフな衣装で、桑田さんは髪もボサボサ。まるでスタジオに勝手に乱入してきたかのようなイメージでした。また、歌詞がよく聞き取れないため、字幕が表示されたのも、サザンならではのことです」

 

お茶の間にハチャメチャな印象を与えたサザンだが、3枚目のシングル『いとしのエリー』(’79年)でバラードを披露。

 

「『ふぞろいの林檎たち』(’83年・TBS系)の主題歌ともなった名曲。“こんなしっとりした曲も歌うんだ”と、そのギャップに驚かされました」

 

“原坊(ハラボー)”こと原由子の存在も大きかったという。

 

「『私はピアノ』(’80年)、『そんなヒロシに騙されて』(’83年)ではボーカルを担当。桑田さんが生み出すメロディを楽譜に起こし、サポートしたといわれ、制御不能に見える桑田さんたちを、穏やかにとりまとめている姿が印象的。“売れたら別れる”ケースが多い芸能界で、大学時代に知り合い、仕事でも生きるうえでもパートナーであり続ける理想的な夫婦像に、誰もが憧れているはずです」

 

そんなサザンは’80年代以降も、多くの楽曲が主題歌、CMソングに使用され、愛され続けている。

 

「湘南をイメージする曲は、海沿いのドライブで聴きたくなるし、『ピースとハイライト』では、時の政権に対する痛烈な皮肉だと話題になりました。がんになられてからは、桑田さんの命に対するメッセージ性も前面に。あらゆるジャンルの曲があり、なかなかカテゴリー分けできないのも魅力。あえていうとすれば“サザン”というジャンルとなるでしょう」

 

変幻自在の曲調に、シビれるメッセージを乗せ、サザンはこれからも人々を魅了し続ける。

 

「女性自身」2021年2月23日号 掲載

マーケティングライター、世代・トレンド評論家

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