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「“日本資本主義の父”みたいなイメージの人間を主人公にして、大河ドラマにしても、あまり面白くないんじゃないかな、と思っていたんです。でも実際にドラマを見てみると、農村の風景なんかもしっかり描いているし、庶民の生活もよくわかります。非常にユニークな国民の歴史の記録にもなるのではないかと期待しています」

 

そう語るのは、渋沢雅英さん(96)。『青天を衝け』の主人公である渋沢栄一(1840~1931)のひ孫にあたる人物だ。第4話の視聴率も15.5%と、好調を維持している。

 

ドラマ制作チームからは、“若々しいキャラを作っていきたい”という提案もあり、主演の吉沢亮(27)は事前にかなり人物像を研究したという。

 

吉沢は『NHK大河ドラマ・ガイド 青天を衝け 前編』(NHK出版)に収録されたインタビューでは次のように語っている。

 

《栄一さんのひ孫さんの渋沢雅英さんにお会いする機会を頂いたんです。渋沢栄一記念財団の理事長などを務めた方で、90歳を過ぎていらっしゃるのですが、もう本当にすてきな方で》

 

吉沢が言うように、本誌のインタビューに答える雅英さんの声は96歳とは思えないほどしっかりしていた。

 

「『青天を衝け』という言葉は、栄一が19歳ぐらいのころに書いた漢詩の一部なんです。そんな若い青年が漢詩を書くなんて、いまでは信じられないですが、栄一はそういった文化的素養も持った人間だったのですね。

 

特に私の父(※大蔵大臣なども務めた渋沢敬三氏)は栄一のことを非常に尊敬していて、『栄一の望むように自分は生きていかなくてはいけない』と語っていました。4万5千ページにもわたる伝記資料も作っているんです」

 

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