■渡辺の苦悩やメッセージを知らないという無知
「この体系で幸せ」という渡辺だが、いっぽうで次のようにもコメントしている。「しかし、ひとりの人間として思うのは、それぞれの個性や考え方を尊重し、認め合える、楽しく豊かな世界になれる事を心より願っております」とーー。
「渡辺さんはもともと、自分の体型に対してポジティブだったわけではなかったといいます。10代のころは『自分は太っているから……』とネガティブな時期もあったと、過去の取材で語っていました。当時は、周囲から太っているキャラとしてぞんざいに扱われることにも慣れてしまっていたそうです」(ファッション関係者)
しかし『このままではいけない』と、自分の意識を変えることにしたという。
「化粧やファッションを目一杯楽しんで、もっと自分を愛そうと努力した。そうすることで人生がより楽しくなり、仕事も順調になっていったといいます。それでも『デブなのに』という人はいたそうですが、『太ってる人にデブって言って何が楽しいんですか?』という毅然とした考えを持てるようなったそうです」(前出・ファッション関係者)
そうしてコンプレックスを乗り越えた渡辺には、仕事を通して伝えたいメッセージがあった。19年4月、『ハーパーズ バザー』の公式サイトで「自分の体を否定せず好きになってほしいと思う。それは太りたくても太れない人でも背が低い人でも同じ。どんな体形も素敵なんだと発信し続けたい」と語っている。
「誰かと比べるのではなく、自分と向き合おう。そうすることで、ありのままの自分を愛することができる。それこそが大事だと、渡辺さんは考えているのです。ただこの考えに辿り着くまでには、やはりこれまでの体型を揶揄された経験も影響しているそうです。
『オリンピッグ』という言葉は、そうした彼女の過去の苦悩やメッセージを知らない無知ゆえの提案ともいえるでしょう」(前出・ファッション関係者)