■偉い人に好かれることで安心する
近藤さんは幸か不幸か、偉い人たちから特別気に入られてきました。黄金期にはその寵愛がプラスに働き、輝かしい実績を上げました。しかし平成に入ってからは歌手として表立った活動をしないままなのに、当時と変わらぬ“長男待遇”を受け続けた。その結果として、今のジャニーズファンからマイナスイメージを抱かれることとなりました。
こうした仕組みは、一般社会でもよく見かけるものです。偉い人たちから好かれたことで一時的に華々しい活躍をしつつも、結局、その地位に安心しきってしまう。そして気づくと、年長者として煙たがられるようになるのです。みなさんは心当たりありませんか。
■下の世代に気を使えない
過剰に甘やかされて育った人というのは、自分より若い世代に気を使えない大人に育ちがちです。しかしビジネスシーンにおいては、必然的に自分より若い世代が年々増えていきます。長きにわたって活躍する人ほど、年上という一定の威厳は保ちつつも、自分より若い人たちの良さを認めるもの。そしてときには彼らの良さを取り入れたり導いたりしながら、柔軟に対応しているように思います。
「あの人は扱いにくい」と言われるベテラン社員は、どこの会社にも存在するものです。マッチ自身が後輩にどう接していたかはわかりません。ただ“あの残念な感じ”は、まさに私たちのまわりにいる「扱いにくいオジサン」と共通する部分があるのではないでしょうか。
■他人の扱いが雑“そう”
次はイメージの問題です。近藤真彦さんといえば若かりし頃の中森明菜さんとの“破局報道”にあるような、「他人に対して冷たいイメージを持つ人」という印象を抱いている方も多いのではないでしょうか。今回の不倫騒動や独立報道に対してもジャニーズタレントから擁護の声が一切上がっていませんでした。やはり、人間関係はかなりドライなのかもしれません。
ただドライなだけなら良いのですが、そこから「他人の扱いが雑そう」というイメージに変わって独り歩してしまう危険性もあります。そうなってしまうと、大きなマイナスです。果たして彼の本当の性格は、どうなのでしょう。
■実績がアップデートされない
マッチが現役のジャニーズファンから支持されない最たる理由、それは「実績がアップデートされないこと」に尽きると思います。社会でも過去の実績を引っ張り出してあーだこーだと論じる上司を、部下は「またその話か」とうざったく感じるものです。
彼が下の世代に対して威張っていたかは、定かではありません。ただもし今現在も歌手として活躍できていれば、ファンも優遇され続けることに納得できていたのではないでしょうか。
■年齢による立ち位置の変化に対応できない
人は活躍の大小あれど、年齢とともに立ち位置が変わっていくものです。それは芸能界に限らず、どの業界でも避けられないこと。それを利用している人たちが“イケオジ”と呼ばれる、ダンディなんだけど可愛げを魅力に活躍するオジサン俳優たちかもしれません。
マッチも改めて見ればイケオジ世代ではありますが、いわゆるいじりやすさや可愛げといった中年特有のスキはありません。かといって王道のダンディズムもあるかと言われたら、難しい。こうした年齢による立ち位置の変化に対して柔軟に対応できていないと、下の世代からは「微妙な存在」に見えてしまうのかもしれません。
以上、5つの要素からマッチと残念オジサンの共通項を考えてみました。
そもそも彼は独立しましたが、これからどうしていくつもりなのでしょうか。SMAP、TOKIO、嵐、どのベテラングループも変革の波にさらされてきました。そしてメンバーたちは形を変えながらも、今なお活動しています。その点、マッチの目指す先にあるのはいったいどんな芸能人像なのか。それとも、レースだけを続けられたらもう満足なのでしょうか。
(文:おおしまりえ)