■平行線を辿るOさんと長女の主張
「Oさんは、生前に千葉さんが望んでいたという都内のお寺の墓への納骨を求め続けているのです。しかし真瀬さんは、千葉県にすでにある前田家の墓への納骨を主張し、平行線をたどっています。
さらにOさんは、四十九日の次に行われる法事である百箇日法要で、前田家の長男である真剣佑さんが施主を務めるべきだと主張しています。百箇日法要には郷敦さんや母のA子さんも参加する予定なのですが、いまの混乱した状態で、本当に行えるのか……。
法事が終われば、Oさんは改めて真瀬さんに都内のお寺への分骨を要求するでしょう。それまでに結論が出ているといいのですが、10月上旬の時点で、千葉さんがどこで眠ることになるのか、まったく決まっていないのです」(前出・映画関係者)
Oさんが主張している“千葉さんの意向”が真瀬側に受け入れられることはあるのか。前出の武藤さんはこう話す。
「どれだけ懇意にしていても、あくまで千葉さんとOさんは他人です。真瀬さんが『骨は分けません』と言えばそれまでです。ただ、真剣佑さんが『骨を分けてくれ』と真瀬さんに求めることはできます。彼が賛同すれば、Oさんの希望もかなえられる可能性はあります」
こうしたトラブルを避けるためには、生前にしっかりと意思を周囲に伝える必要があるという。
「今回のようなケースでは、エンディングノートを書いておくだけでは十分とはいえません。もともと一族の墓守を千葉さんがしていたなら、『代々の墓は任せた。俺は自分で墓を決める』と真瀬さんに話し、納得してもらったうえで託す必要がありました。
お寺にも事前に、『します』と伝えておくことが大切です。お墓やお寺は、“結婚”と似ています。入りたいお墓があるなら、きちんと“離婚”してから次に行く。そうしないと、死後にトラブルが起こってしまうのです」(前出・武藤さん)
このままでは、天国の千葉さんが穏やかに眠れない――。