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「どうも、ブラッド・ピットです」
「アンジェリーナ・ジョリーという者なんですが」

 

大仰な人物の名を借りた自己紹介で笑いを取るのは、高田純次の定番ネタだ。いつからだろう、高田は初対面の人に会っても自分の名前を名乗ることはほとんどなくなった。

 

帯番組の『じゅん散歩』(テレビ朝日系)は、そんな高田のバリエーションに富んだ「挨拶ボケ」が見られる、貴重な番組である。初代の地井武男、二代目の加山雄三からバトンを受け継ぐ形で、2015年9月にスタート。『ちぃ散歩』は6年強にわたって続いたが、高田はその記録を今年ついに更新した。

 

いわゆる街ブラ番組だが、高田は施設の案内人や店主に対して実に適当に話しかける。「テレビ朝日の『じゅん散歩』で来ました、私、○○です」という挨拶が定型で、ある日は「中山美穂」、またある日は「島崎藤村」……といった具合だ。

 

高田純次といえば、適当。2006年に出版した著書『適当論』のタイトルを思い起こすまでもなく、そんなイメージが染みついている。だが、適当なだけで番組は続くのか?一見、バカバカしくボケ続けているだけのようで、何らかの法則があるのではないか?

 

同番組の公式サイトを見ても、高田が自己紹介で何と名乗ったかまでは、当然ながらいちいちリストアップされていない。だとしたら、自分で調べるより他はない。そう思い立ち、番組を毎日見ながら、高田の「挨拶ボケ」を定点観測することにした。

 

2018年に『水曜日のダウンタウン』(TBS系)が「高田純次が『高田純次です』と挨拶してるシーン TBSのアーカイブ全部調べても出てこない説」を検証していたが、今回は2021年2月15日から同年12月17日までの『じゅん散歩』219回分のデータを検証した(ただし、日曜日放送の総集編『週刊!じゅん散歩』は除いた)。

 

統計期間内の高田は388回も何らかの形で自己紹介をしているが、いったい何を名乗ったのか? まずはその内訳を分析してみよう。

 

【高田純次は『じゅん散歩』の挨拶ボケで何を名乗ったか?】

・人名(アニメのキャラなども含む)……319回(82.2%)
・物、動物など……62回(16.0%)
・その他……7回(1.8%)

 

やはり気になるのは人名以外の69回分だが、ロケ地に関係した名乗り方をしているケースが圧倒的だ。たとえば、壁に絵が描かれている店に入る際には「テレビ朝日の『じゅん散歩』で来ました、バンクシーですが」といった具合である。海の近くにいるというだけで「コロンブスです」、神社にいるだけで「狛犬です」と名乗ることもあった。

 

唐突に「ジョージ・クルーニーですが」と名乗ることもあったが、自分を飾ってみせる、高田お得意のハリウッド系自己紹介は『じゅん散歩』ではレアケース。番組を定点観測してゆくと、一見、適当な自己紹介のようで、ワードのチョイスにはだいたい根拠があることがわかってくる。

 

分析を進めよう。人名を名乗った319回の内訳は以下のようになる。

 

・地名にちなんだ人名……118回(37.0%)

【春日通りに面している店で「春日八郎です」など】

 

・施設名、店名にちなんだ人名……175回(54.9%)

【服部栄養専門学校で「忍者ハットリくんです」など】

 

・その他……26回(8.1%)

【なんの脈絡もなく「オダギリジョーです」「舘ひろしです」「佐藤健です」など】

 

また、人名以外を名乗った62回を分類してみると、以下のようになる。

 

・地名にちなんだもの……4回(6.5%)

【京野菜の店で「おばんざいという者なんですけど」など】

 

・施設名、店名にちなんだもの……51回(82.2%)

【鍋料理店で「三元豚という豚なんですけど」など】

 

・その他……7回(11.3%)

【神社でおみくじを引いた後、「どうも。中吉です」など】

 

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出典元:

WEB女性自身

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