■フリーアナは飽和状態!“自分らしさ”を活かすためにも異業種に
なぜアナウンサーの退社後の進路が変わってきたのか。前出・テレビ局関係者がこう語る。
「あまりにもフリーアナウンサーが増えすぎて、もう飽和状態なんです。局アナ時代に人気のあった人でも、フリーになった途端に苦戦することが少なくありません。そんな先輩たちの姿を見てきたため、近年のアナウンサーは“別の道”も視野に入れることが多いのです」
桝アナは東京大学大学院の農学生命科学研究科修了という経歴をもつ。三井不動産へと転職した近江氏も「大学時代は公共政策を研究するゼミで、官民が連携して街を作る仕組みを学んだ。今は自治体や民間企業と共にまちづくりを進める仕事をしている」と’21年に発行された『早稲田大学 政治経済学部』のパンフレットで明かしている。
このようにアナウンサーとしての経験を武器にしつつ、かねてより関心のあった分野へと進む傾向もあるという。
「もともと美意識の高かった田中みな実さんは美肌やスタイルが注目を集め、TBS退社後に発売した写真集は60万部以上の売り上げを記録。化粧品のCMに出演したり女優業に進出したりと、個性をうまく発揮しています。
アナウンサーという仕事はどちらかといえば自分が目立つことよりも、縁の下の力持ち的な存在であることが求められがちです。だからその分、退社後は“自分らしさ”を活かして関心のある分野に進みたいと考える人も多いのです」(前テレビ局関係者)
群雄割拠のアナウンサー業界。いま、新たなフェーズにあるのかもしれない。