【祝還暦】松田聖子 デビュー時の共演者語る“ウソ泣き”の内幕「求められる役回りわかってた」
画像を見る 89年10月、公園で聖子と三輪車の練習をする沙也加さん

 

■「スタジオに入ったら音楽に集中して余計な話はしない」

 

30歳のときからセルフプロデュースを始めた聖子は、4年後の’96年に『あなたに逢いたくて~Missing You~』で8年ぶりのオリコン1位で初のミリオンセラーを記録。作詞家、作曲家としても評価された。前出・船山氏は言う。

 

「ファンの求める松田聖子像や自分の世界観をわかっていて、それに合う音楽を書ける。デビューのころからいろんな曲を歌ってきたことで、自分の気持ちいいメロディや言葉が体内に蓄積されたのだと思います。だから自然と聖子さんの世界ができあがるんでしょう」

 

聖子が45歳のころ、船山氏はシングル2枚とアルバムに携わった。何度会っても、いい意味での緊張感が保たれていたという。

 

「聖子さんはスタジオに入ったら音楽に集中して余計な話はしない。僕が勝手に感じているだけかもしれないけど、気やすく声を掛けてはいけないような特別な存在感がありました。芸能界の頂上にいる別格の雰囲気を持っています」

 

’17年、全米リリースの『SEIKO JAZZ』はアメリカの最大手配信サイトでベストセラー部門4位の快挙を達成。聖子はアーティストとしても成功を収める一方で、今もアイドル性はまったく色あせない。希代のアイドルには十分な休息を取ってもらい、心身が回復したらステージに立ってほしい。誰もが天使の歌声を待っている――。

 

(取材・文:岡野誠)

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