歴史学的にはフィクション…それでも三谷幸喜が八重と義時を結婚させた理由
画像を見る 八重ゆかりの眞珠院(画像提供:伊豆の国市観光協会)

 

■三谷は《新垣さんは稀有な女優さんだと思う》と絶賛

 

三谷は今年初め、『朝日新聞』の連載エッセイでこうつづっていた。

 

《僕は当て書きの脚本家。俳優さんありきで、その人にどんな役を演じてもらったら面白いか、どんなセリフを喋ってもらったら楽しいか。そこから物語を作っていく》

 

《新垣さんは稀有な女優さんだと思う。(略)ほんの小さな眉の動き、固く結んだ唇が少しだけ緩む瞬間。そういった細かい表情で気持ちを表現する。これってとんでもなく難易度が高いこと》

 

《きっと信じられないほど台本を読み込み、役を自分に落とし込んでいるのだろう》(「三谷幸喜のありふれた生活」’22年1月27日付)

 

前出のNHK関係者が続ける。

 

「三谷さんはもちろん八重が身投げしたという伝承をご存じでした。とはいえ、八重が江間次郎という男性に嫁いだという別な説もあり、江間の領地が伊豆の北条館の目と鼻の先だったことから、義時と結婚するという今回のシナリオが誕生したといいます。

 

三谷さんは新垣さんを2人の英雄と結婚する美女“クレオパトラ”と評し、撮影後も『自分が思い描いていた以上の八重さんでした』とベタ褒め。難役にプレッシャーを感じていたという新垣さんは『全部報われました』と安堵していました」

 

前出の稲井住職も“三谷版”八重についてこう語る。

 

「三谷さんはいろいろな伝承をつなぎ合わせて義時が結婚した女性が八重姫だったということにしているんでしょう。それはそれで、物語的には楽しいですけどね(笑)」

 

史実を超越した、義時と八重の新たなラブストーリーには三谷の“ガッキー愛”が詰まっていた。

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