実在しない説まであった大黒摩季さん 画像を見る

住んでいた場所は違っても、年齢が近ければ「そうそう! わかる」って盛り上がれるのが、青春時代、毎日聴いていた音楽の話。活躍する同世代の女性と一緒に、“’90年代”を振り返ってみましょうーー。

 

「先日、あるテレビ番組で大黒摩季さんとご一緒したのですが、いまの時代に合ったラブソングを書くために、あえて若い男性と交際することを堂々と話していて……。サバサバして男前でカッコいい、そんな印象を抱きました」

 

そう話すのは、世代・トレンド評論家の牛窪恵さん(54)。

 

大黒摩季は3歳からクラシックピアノを習い始め、幼いときから作曲していたという。’89年、レコード会社ビーイングのオーディションに合格したものの、しばらくはB’zや織田哲郎など、同社所属アーティストのコーラスを担当。’92年に『STOP MOTION』で念願のデビューを果たした。

 

「ソウル、R&B、ブラックミュージックを彷彿とさせるパンチの利いた歌い方で注目を集めました。また『DA・KA・RA』(’92年)、『別れましょう私から消えましょうあなたから』(’93年)、『夏が来る』(’94年)など、“男なんてそんなもんでしょ。なんだかんだ言ってカワイイ女のコが好きなんでしょ”と、投げやりな部分もありながら、フラれても落ち込まず、力強く心の内を吐き出すような歌詞に多くの女性が共感。一方、中居正広さんの主演ドラマ『味いちもんめ』(’95年・テレビ朝日系)の主題歌『ら・ら・ら』(’95年)は、それまでとは異なり、優しく温かみある曲調。さらなる魅力が引き出され、ミリオンセラーを記録しました」

 

■「実在しない説」が出るほどのまぼろし感もカッコよかった

 

アーティスト色が強く、テレビの露出がなかったことも特徴だ。

 

「以前なら、アイドル歌手が歌番組やアイドル雑誌で私生活を語り、ファンが親近感を抱いたものです。しかし時代が変わり、大黒さんやZARDなどのビーイング所属のアーティストは、雰囲気のあるミュージックビデオくらいでしか、姿を見せてくれません。そのミステリアスさが逆に、想像力をかき立てる魅力となりました」

 

“大黒摩季は実在しない”などの都市伝説もあった。

 

「だからこそ、’97年に東京・有明で行われた初ソロライブは衝撃的でした。私も見に行ったのですが、始まる直前まで“今日も登場しないのでは”と会場はザワザワ(笑)」

 

順風満帆だった音楽生活だが、’10年には病気療養のため一時的に活動停止したことも。

 

「こうした経験も、その後の音楽活動に影響しているのではないでしょうか。地元・北海道の中学校の校歌を作ったり、北海道地震(’18年)の被災地支援ライブを開催したりと、社会貢献を積極的に行う姿もカッコいいですよね」

 

【PROFILE】

牛窪恵

’68年、東京都生まれ。世代・トレンド評論家でマーケティングライターとして『ホンマでっか!?TV』フジテレビ系)など多数の番組で活躍

マーケティングライター、世代・トレンド評論家

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