「人を傷つけない笑い」の時代に“毒舌”のウエストランド、しんいちが頂点に立った理由
画像を見る 15年10月、タイタンライブ20周年記念でのウエストランド

 

■なぜ今年、“毒舌漫才”が高く評価されたのか?

 

いっぽう、彼らの“毒舌漫才”はネットを中心に賛否が巻き起こった。Twitterでは「悪口漫才」がトレンド入りし、《悪口言ってる人がなんで優勝したのかわからん》《ただ気分悪いだけだ》と批判的な声も散見された。

 

反響を受けて井口は、20日に公開したYouTubeチャンネルでこう陳謝している。

 

「あんなネタですから、もちろん賛否があるのはしょうがないですしね。それだけM-1という大会がでかい大会になっているということなので。もちろん色々言う人はいるのは仕方ないし、不快な気持ちにさせてしまった方々には申し訳ない気持ちではあります」

 

そんな物議を醸した彼らは、2年前の決勝で披露したネタも“毒舌漫才”だった。マッチングアプリでの出会いをテーマに、井口は「結局、ギャップが好きとか言ってる女子は人を見た目で判断してるんだよ」などと痛烈に皮肉っていた。

 

この大会は9位に終わったが、なぜ同じ“毒舌漫才”でも今年は高い評価を得られたのだろうか? お笑い評論家のラリー遠田氏に話を聞いた(以下、カッコ内はラリー氏)。

 

「2020年の大会では井口さんが自分がいかにモテないかを嘆き、世の女性たちに不満をぶつける自虐ネタの漫才を披露していました。それはそれで面白かったのですが、2022年の大会では女性だけでなくあらゆる方向に無差別に噛みつくようになったことで井口さんの本来の持ち味が伝わりやすくなり、笑いの量が格段に増えました」

 

いっぽう、今年3月に開催されたピン芸人の頂点を決める「R-1グランプリ」で優勝したのはお見送り芸人しんいち(37)。「タトゥーだらけの男が1ラウンドで負けてるところ好き」「大声で関西弁で面白くない男好き」などと弾き語り、ウエストランド同様に“毒舌”が際立ったネタだった。

 

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出典元:

WEB女性自身

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