■乗馬シーンのCG、火縄銃の連射への批判にもピシャリ!
そうした視聴者の異論を唱える声は、平山氏の耳にも入ったようだ。平山氏はハッシュタグ「#時代考証の呟き」で詳細な解説をするだけでなく、歯に衣を着せぬ反論も展開している。
例えば、第2話の放送前日であった1月14日のこと。乗馬シーンでのCG多用に理解を示すユーザーのツイートに反応し、《ホンモノの馬だと、あれらのアングルでの撮影は不可能。馬が怖がってダメなのです。「真田丸」の時も、信繁の騎乗シーンは、馬の精密な模型だったのは記憶に新しい》と解説。
続くツイートでは、あるユーザーから“火縄銃の連射など時代考証がおかしいのではと報じる記事がある”との指摘を受け、《ハッキリ言わせて頂くと、史料も論文もちゃんとした歴史書もカバーしていない人は、自重したほうが賢明だと思う。まぁドラマの感想や想いは自由ですが、史実で斬り込んでくるのは、無謀としか》とピシャリ。
1月17日にも火縄銃について、《火縄銃の取り扱い=時代考証の杜撰さ、という言説が横行しているようなので、ひとこと言わせて頂きます。撮影現場での所作、演出は、時代考証の管轄外です。戦闘シーンにおけるアクションや演技は、殺陣を初めとする皆様が頑張っておられます》と主張した。
一方で、ドラマ演出や設定への批判に対して、真摯に受け止める一面も。
第4話に登場した信長の妹・お市の方(北川景子)と元康が同じ年齢であったことに批判の声があったといい、1月31日のツイートで《私は彼女をこの段階で出すことには反対でした》《私は自信がなく、反対意見を述べ、他の方に判断を委ねた次第です》と告白。その上で、《時代考証担当の一人として、責任は十分に自覚しており、ご批判は甘受します》と釈明していた。
こうした時代考証者による“生の声”は、反響も呼んでいる。現在、平山氏のフォロワーは3.1万人以上。解説ツイートを始めて以後、およそ8000人以上も増加したという。あるユーザーから《#時代考証の呟きで勉強させていただきます》との声に、平山氏は《殿潤様のために、孤軍奮闘しますよ。最後まで討死せず、戦い抜きますいつ、何時、いかなる挑戦も受けます》と意気込んだ。
歴史学者の“大立ち回り”は、ドラマを盛り上げるのに一役買っているようだ。