■「なりすまし発注」とともに妻の流産をほのめかすメッセージが……
小川氏は“深刻な現状”をこう明かす。
「ゆたぼん君のことを取り上げたことで会社が有名になり、私を嫉妬する一部の人たちから嫌がらせを受けるようになりました。非通知で1日に何百件も電話をかけてきたり、頼んでもいない数の子やカニ、ウニなどが代引きで送られてきたりします。基本的に冷凍商品や代引きで届いたものは受け取り拒否し、返送するようにしています。ただ、そうした対応を取っていると、今度は代金後払いで送られてくるんです」
「なりすまし発注」に頭を悩ませる小川氏は、「現在、妊娠中の妻にも匿名で水子供養のお札などが送られてきたり、本当に信じられないような物が送りつけられてきます」と明かす。
「どこの誰がやっているのかわからないので、すごく不気味ですね。最近ですと、私の会社の電話番号とメールアドレスを使って、牛丼60点や何十枚ものピザを勝手に注文されました。しかも、自動で注文確認のメールが返送されてくるのですが、注文者の名前の欄には誹謗中傷的なメッセージが書き込まれているんです。私の妻の流産をほのめかすような文章ですとか……」
匿名による嫌がらせは、エスカレートするばかりだという。20日には150万円の仏壇が勝手に注文され、自動返送された注文確認のメールには、《流産おめでとうございます》とメモ欄に書き込まれていた。最後に小川社長は、匿名による嫌がらせは「暴力」だと訴える。
「なりすまし発注によって、牛丼やピザなどせっかく作った商品が無駄になってしまいますよね。メディアで騒がれていること以上に、相当悪質なことがネットのなかで起きています。素性を明かした上で誰かを批判すると、陰湿な嫌がらせで黙らせようとしてくる行為は正に暴力だと思います。やりたい放題なネット上の環境が、少しでもなくなるように願っています」
ネット社会において、匿名だからといって何をやっても許されるわけではないはずだ。