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7月14日、スタジオジブリの宮崎駿監督の新作映画となる「君たちはどう生きるか」の公開が始まった。宮崎監督による新作作品の公開は10年ぶりとなる。

 

日本のアニメーションを代表する制作会社であるスタジオジブリからは、これまでに23作品の長編アニメ映画が発表されている。’01年に公開された『千と千尋の神隠し』は日本国内で当時の歴代興行収入を塗り替える大ヒットとなったうえ、海外でも絶賛。第75回アカデミー賞ではアカデミー長編アニメ映画賞を受賞した。

 

このように、歴史に残る名作を生み出すスタジオジブリだが、全ての作品がヒットしてきたわけではない。観客がジブリに求めるものとはどのようなものなのだろうか。そこで、今回は「好きなジブリ作品」と「苦手なジブリ作品」についてアンケートを実施。今回は「苦手なジブリ作品」の結果を公表する。

 

3位に選ばれたのは『劇場版 アーヤと魔女』。監督は宮崎駿氏の長男、宮崎吾朗監督。原作は『ハウルの動く城』の著者でもある、ダイアナ・ウィン・ジョーンズだ。孤児院で育った10歳の少女・アーヤは太った魔女のベラの家に引き取られることに。ベラの元で魔法を教えてもらうことを条件に、助手として働き始めるアーヤの立ち回りを描く。

 

’21年8月に劇場公開された本作はスタジオジブリ史上初の3DCGによるアニメーション作品にもかかわらず、初週の興行収入ランキングでは8位に留まった。実はコロナ禍のため’20年に先んじてテレビ放送がなされていたのだが、その際の評価がイマイチだったことも要因かもしれない。また、ジブリに求める映像要素と、CGアニメの相性も悪かったようで“絵が苦手”という感想も。観客が期待するジブリの作品とは良くも悪くもかけ離れてしまったことが、低評価の一因なようだ。

 

《二番煎じ感が拭えないです》
《絵が苦手》
《CGは好きではないから》

 

2位に選ばれたのは『ゲド戦記』。宮崎吾郎氏の初監督作品。父親である国王を殺してしまい国を飛び出したアレンは、世界に起こる災いの原因を探すゲドに出会い、共に災のもとを探す旅に出ることになる。

 

原作はSFの女王・アーシュラ・K・ル=グウィンの小説『ゲド戦記』。全6巻のうちの第3巻『さいはての島へ』部分が、使用されている。さらに、宮崎駿氏による絵物語『シュナの旅』も原案とするという複雑な構成だ。興行収入は78.4億円と報じられるなどヒットしたといえる本作だが、ストーリーの難解さから苦手、がっかりしたと感じる人が多かったようだ。

 

実は原作者のル=グウィンも自身のWEBサイトで、吾郎氏からこの映画を気に入ったか聞かれた際に、「はい。これは私の本ではありません。あなたの映画です。良い映画です」と答えたことを明かすほど、原作との乖離があるという。ル=グウィンは、自分の本の映画だと思ってこの作品を見ると、“映画の多くの部分は支離滅裂だと感じた”と語っている。

 

そもそも非常に長い話の一部を映画として切り取った本作。それだけでもストーリーをまとめるのは容易ではないうえに、別の作品のコンセプトを取り入れてしまったことで“支離滅裂”加減が高まってしまったのだろうか。

 

《いまいちストーリーがわかりにくかった》
《内容が難しかった》
《内容が良くわからなかった》
《意味不明》

 

第1位は『火垂るの墓』。’88年に公開され、高畑勲さんが監督を務めた。原作は野坂昭如さんの戦争体験をもとにした同名小説で、戦時下の日本をリアルに描く作品だ。主人公の清太とその妹・節子は、空襲で母と家を亡くし親戚の家に疎開するものの、邪魔者扱いをされてしまう。そのため清太は家を出て妹と二人きりで暮らすことを決意し、懸命に生き抜こうとする。

 

当時の興行収入こそ伸び悩んだものの、その後13回もテレビ放映されたこともあり、見たことがあるという人はかなり多い本作。映画内で登場したサクマ式ドロップスを覚えている人も多いのではないか。節子が空になった缶に、水を入れて飲むシーンやドロップと勘違いしておはじきを食べる場面は戦後の食糧難の悲惨さを際立たせる。

 

当時の時代描写なども含め、非常にリアルに描かれた本作。だからこそ観ると“落ちこんでしまう”という声が寄せられた。今回は苦手な作品として1位になってしまったが、それは見る人の心に強く訴えかける作品だったということだろう。

 

《戦争で気分が下がってしまう》
《戦争物は悲しい、つまらないことはないけど、現実的にあったと考えると辛くなってくる》
《決してつまらない訳では無いが、やはり見たあとに心が重くなるから》
《戦争のシーンがとてもリアルに描かれていて怖かったから》

 

宮崎駿監督の最後の作品とも噂される『君たちはどう生きるか』は、果たしてどのような評価をなされるのだろうか。

 

【苦手なジブリ映画ランキング】

1位:火垂るの墓
2位:ゲド戦記
3位:劇場版 アーヤと魔女
4位:平成狸合戦ぽんぽこ
4位:ホーホケキョ となりの山田くん
6位:紅の豚
7位:崖の上のポニョ
8位:もののけ姫
9位:ハウルの動く城
9位:天空の城ラピュタ

 

調査日:2023年7月4日
調査対象:20~60代の男女400人
調査方法:WEBでのアンケート(クロス・マーケティングのセルフアンケートツール『QiQUMO』を使用)

出典元:

WEB女性自身

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