■成田市役所関係者は「今後も契約を継続します」
各地には多くの観光大使が存在し、タレントなどが就任することもあるが、無報酬というケースも多いようだ。
イベントなどに詳しい芸能プロダクション関係者に聞いた。
「地方自治体から観光大使に選ばれることは、イメージアップになりますし、故郷やゆかりの地への恩返しにもなります。ですから完全に手弁当ということもありますし、交通費などの経費のみもらうようなことも多いのです。もちろんギャラが発生しているケースもありますが、年間3千万円以上といった話は聞いたことがありません。
團十郎さんとしては、先代が残した借金も返済しなければなりませんでしたから、“もらえるものはもらっておきたい”という気持ちだったのかもしれませんが……」
十二代目市川團十郎さんは、妻・希実子さん(70)の父の連帯保証人となり、事業失敗のあおりを受けて19億円もの借金を背負ったという。
「先代が亡くなった後は、團十郎さんが返済を続け、麻央さんと暮らした邸宅をこの夏に売却したことで、ようやく完済できたそうです。
もっとも團十郎さんは昔から、堅実とはほど遠い生活を送ってきました。いま乗っているのは3500万円ほどの英国製高級車ですし、高級腕時計のコレクターでもあります。先月は、誕生日を迎える長女・麗禾ちゃん(12)を連れてルイ・ヴィトンの店舗を訪れたことをブログで発信して物議を醸しました」(芸能記者)
成田市からの報酬も團十郎一家の生活を潤しているのか。成田市の観光プロモーション課の担当者を取材した。
「團十郎さんは成田屋の方で成田山新勝寺とご縁がありますから、御案内人をお願いしました。成田市の観光のために伝統芸能のお力をお借りできればと考えております。中学校で行った『歌舞伎講座』におこしいただいたこともあります」
――それは数年前のことで、團十郎さんは最近は「歌舞伎講座」には参加していないですよね?
「(講座の)監修はしていただいておりますし、(講座には)いまはほかの歌舞伎役者さんに来ていただいています」
――團十郎さん関連の歳出について、市民が知る機会がないという批判もあります。
「市の広報誌のページにも限りがあり、イベントの告知などは掲載できますが、歳出の内訳までは掲載できないということはあります。市議会や予算委員会で内容の説明やご報告はさせていただいておりまして、今後もそういうところで説明していくという認識です」
――観光大使の報酬が毎年3300万円というのは高すぎるという意見もありますが?
「あくまで松竹さんとの契約ですので、ご本人がどのくらい(の金額を受け取っている)ということは、私どもにはわかりません」
そこで成田市と契約を結んでいる松竹芸能株式会社を取材すると、担当者は次のように回答した。
「(報酬の)金額に関しましては、成田市との契約に基づくものですので、詳細は申し上げられません」
成田市はこれからも團十郎に御案内人を依頼していくつもりだという。前出の成田市観光プロモーション課の担当者はこう語っていた。
「今後も継続して團十郎さんのプロジェクトは進めていく予定です。来年度の予算編成はこれから行いますが、次も3年契約となります」
あと3年間で、さらに9900万円!? 團十郎は“荒稼ぎ”と批判されないように、成田市へ4億円もの報酬にみあう貢献を果たすことができるのだろうか。