GACKT自白!格付け個人76連勝“間違えない考え方”は「一部の金持ちが価値を決める」
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■浜田さんから叱られた

 

2023年の元日に放送された格付けの100万円のワインを当てる問題は過去一番にエグかった。ワインの銘柄の表示もない。いつもはラフィット、ムートンとワインの銘柄の発表がある。何年物かの情報も出る。それに対し5000円相当の銘柄のわからないワインとの味を比べ、どちらがその高級ワインかを見極める。これが通例の出題形式だが、今回の収録時は一切なんの情報もなし。つまり参考にするヒントがない。これを番組収録時に聞いた時、内心では『ふざけんな!』と叫んでいた。これではまるで世界でトップのソムリエテストだ。ただでさえプレッシャーが大きい復帰一発目の番組にもかかわらず、『なんてことやらせんだ!』と怒りが込み上げた。結局、答えを導くまでに番組出演史上一番時間がかかった問題となった。色を見ればブルゴーニュかボルドーかはすぐわかる。この深く鮮やかな漆黒赤色はボルドー。それを口に含み転がす。値段のことも考え始めた。『今は円安、2年前は70万、100万ってことはヴィンテージではない…』とこんな感じだ。

 

今回はメルローか、カベルネソーヴィニヨンかという二つの選択肢しかなかった。かなりラッキーなことに普段よく飲んでいるワインということもあり、答えを導き出すことができただけだ。ワイン通の人は当然、カベルネだと思ってしまうだろう。メルローなら予想できる銘柄はニコイチ(二者択一)となるが、カベルネなら銘柄まで辿り着くのは異常なほど難しいだろう。メルローだったからこそ銘柄も自ずと当たったというだけにすぎない。その後、浜田さんに「勘弁してくださいよ、あんな出題!」と言うと「オマエが当てすぎなんや!オマエを間違えさせるためにこっちは必死なんじゃ!」と叱られる始末。なぜ叱られるのか。

 

【格付け】にはワインの問題が毎回出るが、そもそもワインを好きになったのは24歳の時だ。最初はグラスを回しているのがただカッコいいというレベル。何が美味しいかなどまったくわかっていなかった。飲んでいるワインのレベルも相当低かった。

 

基本、芸能人の友達が少ないボクにとっては起業家の友人たちと遊ぶことがほとんどで、その付き合いで彼らから教えてもらった多くの知識は人生の糧となった。経営者が集まる場に呼ばれて行くと、必ずと言っていいほど上質なヴィンテージワインが出てくる。それまでに飲んでいたワインとはまったく違うもの。『何故、これほどまでに味が違うのか、口の中に含んだ時の感覚がまったく違う』と。更に値段を聞いてビックリした。ワインに関する知識を彼らから聞き深みにハマり、世界各国からワインを集めるようになった。仕事柄、海外に行くことも多いが、それぞれの国で有名なワインを飲み漁った。

 

自分が美味しいと思うワインの中で、好んで飲むのはブルゴーニュ。そのブルゴーニュの中で群を抜いて素晴らしく、別格だと感じるのはやはりロマネコンティのヴィンテージだ。今なら1本700万円は軽く超えるだろう。会食でロマネコンティを開ける場に何度かいたが、初めて口にした時、『こんなワインがあるのか!』と驚愕した。そして値段を聞いて『誰が買うのか?』と理解できなかった。それからDRCのことを勉強し始めた。もちろん、そんな高級ワインだけを頻繁に口にするわけではない。普段、口にするもので好きな銘柄はリシュブール。大切な人と飲む時はこれだ。

 

仲間と飲む時、一人で飲む時とでは開けるワインも変わってくる。仲間と気軽に飲む時はシャンベルタンが多い。作り手にもよるが、手頃なものだと15万~25万円ほどで手に入るだろう。シャンベルタンと言っても好みが分かれるほど種類は多く、シャルム、マジ、シャペル、シャンベルタン、クロ・ド・ベーズ、リュショット、ラトリシエール、グリオット、マゾワイエールをその時の気分で飲み分け作り手の味の違いを比べながら、「そもそもブルゴーニュとボルドーは何が違うのか」などという基礎的な長い話から始め、アルマン・ルソーとは?などと御託を並べながらワインの素晴らしさと知識を共有するその時間が好きなだけだ。フランスのボーヌに行った時はフランスのワインやワインに携わる人を守る姿勢に感動した。ボーヌを守るために取っている政策など、ワイン話は話し始めればキリがない。ちなみに、この話を何度しても覚える気のない者は、「なんか聞いたねぇ」と何度も同じ質問をしてくる。これが現実だ。

 

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出典元:

WEB女性自身

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