令和ロマンが2連覇を果たした漫才日本一決定戦『M-1グランプリ2024』(ABCテレビ・テレビ朝日系)。同大会で準優勝に輝き、大きな爪痕を残したのが、知る人ぞ知る存在であったバッテリィズだ。
ボケのエース(30)とツッコミの寺家(じけ・34)が’17年に結成したバッテリィズは、今大会で初の決勝進出。1stラウンドを1位で通過すると、ファイナルラウンドでは優勝した令和ロマンと2票差の2位と善戦した。
審査員を務めたオードリーの若林正恭(46)に、「けっこう小難しい漫才が増えてくる時代の中で、なにか、わくわくするバカが現れた。なんか日本を明るくしてくれそう」と評され、同じく審査員の博多華丸・大吉の博多大吉(53)から「長らく途絶えてきた、このアホ漫才を令和の時代にうまいこと蘇らせた」と絶賛されていた2人。
ともにNSC大阪校36期に在籍していた彼らの“駆け出し時代”を吉本に詳しい関西の演芸作家が明かす。
「エースは高校の時に友達に『俺NSCに行くから一緒に行かへんか』と誘われて、“とりあえずアホなこと言っていたら大丈夫やろ”という軽い気持でNSCに入ったそうです。
ところが、入学してみると周りはみんなお笑いに詳しく、実際に漫才してみると“こんなに難しいものか”と痛感し、とんでもないところに入ってしまったと思ったといいます。
ただ、野球をずっとプレーしていたせいもあってか、まわりのNSC生よりも、ひときわ元気で声がでかく明るいところだけは目立っていたそうです。当時から変にひねくれたところや裏表がない、純粋無垢な性格でした」
M-1で若林から「寺家さんが漫才のリズムをキープする腕も確かだなと思いましたね。面白かったです」とその手腕を称えられていた寺家はというと。
「まったく目立ってなかったそうです。そもそも、NSCの授業に出てきていなかったようです。そのせいか、当時の寺家さんをほとんどの人が覚えていません」(前出・関西の演芸作家)
これには理由があるようだ。‘19年12月に寺家がよしもと漫才劇場オフィシャルブログ「マンゲキブログ」で配信されたコラムで、自身の過去について明かしていた。
《僕は最近では珍しい一般36期で、NSCを卒業してデビューではなくオーディションから吉本に入ったんですが、実は同じ36期の代にNSCに入学していました。しかし、昔のNSCの話を売れている方々のラジオなどで聞いて、真面目に通わなくて良いと勝手に思っていた僕は、最初から全然真面目に通わずに過ごしていたところ、1つ前の年代から出席日数が足りない人は卒業できないというルールができていて、出席日数が足りないとなり、そのまま途中でやめることになりました》
バッテリィズがM-1で飛躍するまでに紆余曲折があったようだーー。