「けんかしたら、その日のうちに仲直り」加藤一二三さん “中学同級生”妻と40年間「結婚講座」講師を 聖イグナチオ教会&教え子が追悼秘話告白
画像を見る 将棋界のスター・藤井聡太王将とイベントに登場したことも

 

■「お礼と褒め言葉を億劫がらずに――」

 

4人の子供にも恵まれた加藤さん夫妻はその“恩返し”として、40代である行動を始めた。’19年、東京新聞のインタビューで加藤さんはこう語っている。

 

《43歳からは東京の教会で、式を挙げるカップル向けに、妻と「結婚講座」の講師を務めています。キリスト教の教えや、「けんかした時は、なるべくその日のうちに仲直りするよう心掛けるといい」などというような話をします。

 

これまで担当したカップルは約300組。講座を受けた人たちの同窓会もあり、結婚後に生まれた赤ちゃんを連れてきて、ミルクをあげる元新郎のいいパパぶりなんかを見るとうれしくなります》

 

「結婚講座」講師を始めた加藤さんは’86年にはローマ教皇ヨハネ・パウロ2世から聖シルベストロ教皇騎士団勲章を授与されている。本誌は聖イグナチオ教会に「結婚講座」講師としての加藤さんについて聞いた。

 

「正式には“ヘルパー”もしくは“世話人”といいます。結婚しているカトリックの夫婦が司祭と一緒に、結婚を控えた複数のカップルを対象におこないます。

 

内容は、司祭たちが作ったテキストがあり、それに基づいて司祭も話しますし、結婚しているご夫婦の経験や立場から話をします。以前の『結婚講座』は5カ月間で毎週、計20回実施していました。10年ほど前から回数は約半分に減っています。

 

そもそも講座とはいうんですけれども、授業ではありません。挙式や結婚後のおのおののテーマについて、集まったカップルも自由に発言をします。加藤さんご夫妻は’24年まで現役でした。後輩の若いカップルのために何か力になりたいという思いがあったのだと思います」

 

加藤さんは過去の著作物やインタビューで、結婚生活についての教えを説いていた。

 

《「ちょっと褒めること」も夫婦関係の潤滑油となってくれます。今から数十年も前のことですが、妻が「横顔がいい」と私のことを褒めてくれたことがあります。(略)どれだけ親しく、近しい関係でも、礼節を尽くしたり、気遣いをしたりすることは大事なのです。その象徴が「お礼」と「褒め言葉」です。「お礼」と「褒め言葉」を、恥ずかしがらず、億劫がらずにやりとりすること。それが、夫婦関係をうまく保つ秘訣です》(著書『幸福の一手』より)

 

《男女は全く平等なものだということは、講座でも言っています。男尊女卑も女尊男卑もいけない。もちろん生活の中では、それぞれの役割はあると思います。例えば僕は料理ができない。でも買い物とか、できることは極力やってきた。そして、配偶者への感謝を公に言うことも大切だと思うの》(『朝日新聞』’18年3月1日付)

 

ひふみんのこうした“説教”は愛らしいキャラとあいまって、決して上からではない不思議な説得力が――。加藤さんの結婚講座を’89年に実際に受けた山田晃子さん(63)は本誌にこう語る。

 

「私のときは同時に13組、講座を受けたと思います。毎回毎回、テーマがありまして、たとえば“どんなふうに仲直りするか”ということをパートナーとそれぞれ考えます。その後はそのほかのカップルとディスカッションするような形でした。

 

加藤さんご夫婦は、奥さんもとても明るくて、本当に仲むつまじかったですね。実際に結婚してからは、いろいろなことに直面しますよね。いったん立ち止まったとき、“感謝を口にする”とか、そうした加藤さんからの教えが役に立つことがありました。だから私たちも37年、夫婦をやってこられたと思っています。感謝しかありません」

 

“ひふみん結婚講座”は夫婦生活の“次の一手”のバイブルとして生き続ける――。

 

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