■結婚するも…包丁を突き付けられ裸で土下座
きのコさんに悪気はなかったものの、交際相手は浮気と捉え、結果としてその恋人とは破局を迎えた。
「好きな人ができると、それが世界の中心になる感覚が強いんです。好きっていう気持ちを抑え込んで生きていくってことは、いまだかつてできたことがありません。交際相手がいたとしても、自分からアプローチしてしまうんです。打率は低いけど、打席数は普通の人の何倍もある。だから”モテる”というのとも、ちょっと違うんです」
当時、大学で文化人類学を学んだことをきっかけに「ポリアモリー」という言葉に出会っていたが、自身には無理な生き方だと感じていた。そのため、複数の人と関係を持ってしまう自分自身に強い嫌悪感を抱いていた。
「最初の恋人ができてから10年間、自分が嫌いだし、”浮気性”を矯正しなきゃいけないっていう気持ちがずっとありました。また九州大学の院卒で、大手メーカーに就職していたので、このまま結婚、出産すれば、浮気性だった過去を捨てて、キラキラの経歴に塗り替えられるという打算もあったんです。普通になりたいーー。自分の内面から正せないなら、外側から矯正器具のように治せばいいとの思い至ったんです」
その「矯正器具」が、結婚だったのだ。
「結婚して夫と一緒に住んで、子供を作れば、多分不倫したくても忙しくてできなくなるだろうという思いがありました。でも、全然うまくいかなかったですね。けっきょくは浮気を繰り返してしまうんです」
浮気が発覚するたびに夫への謝罪を繰り返したが、3回目の発覚時は「さすがにタダでは済まなかった」と当時を振り返る。
「嘘をつくのがド下手なんです。顔にも出てるし、なんか浮き足立ってたりするし。あるとき、パソコン上でイチャイチャしたチャットをしていたんですが、画面開いたままお風呂に入っちゃったんです」
当然、その画面が目に入った当時の夫は激昂した。
「旦那さんがパン切り包丁握りしめてお風呂のドアをバーンって蹴り開けてきて、『お前、あいつと不倫してんのか!』みたいな。本当に切っ先が喉元にまできて、裸で土下座しました。あのときは『これは死ぬ』って覚悟したほどでした」
