《本誌独占インタビューより》
2003年に活動を休止されて、今年5月、7年ぶりに花*花としてライブ活動を始めてみていかがですか? 活動を始める前と今と何か変ったことは?
おの:本当に変らない
こじま:今日は家事の日、仕事をする日、ライブする日ってわけてやっているだけでとくに大きく変わったことはありませんね。
花*花の活動を休止していた期間のことを教えてください?
おの:私は半年くらい、音楽と関わらずに暮らしてみたんです。つねに歌うとか曲を作るっていうことをやっていて、あまりにも音楽に近づき過ぎてるのかなぁって。ふとしたときに、「本当に(音楽が)好きでやれてるかな?大丈夫かな?」と思ったんです。それで、音楽を聴かない、歌わないっていう期間をもとうと思いました。
その半年間は何をされていたんですか?
おの:ひきこもっていました(笑)。ごく普通の暮らしをしてみようと思って、スーパーに買い物に行ったりとかご飯を作って食べたりとか、本当に主婦のような生活でした。そういうことをぜんぜんできてなかったんで、やってみよう!と思ってやったんですが……。
やってみていかがでした?
おの:(その生活が保てたのは)半年でしたね(笑)。半年経ったころから、ちょっとなんかやろうかな!と。知り合いのミュージシャンの方から企業さんのクリスマスパーティの会場で歌ってくれへんかって頼まれて、「じゃ、行きま~す」って参加させてもらいました。そこからはガツガツやってたわけじゃないですけど、いまは『音光明媚』というバンド活動もしていて、また、そのバンドのリーダーの会社で音楽教室をやっているので、そこで講師をやっています。
どんな方たちに教えていらっしゃるんですか?
おの:生徒さんは10歳から60歳までいるんですよ。教えるっていうことは、自分が知ってないといけないし、わかるように伝えないといけないので、逆にものすごい勉強になることが多くって。自分にとって当たり前のことをまったく知らない人に言葉で伝えないといけないので、どうしたらわかりやすいかな、といろいろ考えます。それに、健康のために来られている60歳くらいの方には技術がどうっていうより声を出す楽しさとかを伝えないといけないし、プロになりたいですって来ている高校生のコにはそれじゃいけないし。生徒さんに合わせて自分のスタンスを変えながら、教えるっていうのは自分にとってもいい勉強になりますね。昔、自分がスクールで習っていた先生はすごく良い先生やったなぁ、と。師匠のような先生になりたいというか、そういうふうに生徒さんに思ってもらえたらうれしいなあと思いながら。
バンド活動されている『音光明媚』はどのような曲作りをされているんですか?
おの:音光明媚の楽曲は、和。ちょっとアジアな感じに詞を忍ばせて、懐かしいようなノスタルジックさを感じられるもの。一番は、「人生のサウンドトラックを目指そう!」をテーマに、「音からいろんなイメージをしてもらいたい」というコンセプトでやっています。楽曲から風景、景色が浮かぶような音楽作りを志しています。あとは、花*花と似てるんですけど、「日本語で伝える」ことが大切だと思っています。ただ、自分が体験したことや感じたことを言葉にしていた花*花のときの詞の作り方とはぜんぜん違うんですよね。音光明媚の歌詞を書くときは、音を聴いて自分がまずイメージすること、ずっと昔の景色だったり、想像の世界だったりを頭の中で描いていくんです。
花*花のインタビューは明日に続きます
撮影/永田理恵