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185cmという長身。深い瞳で静かにカメラを見つめる姿は、36歳の大人の魅力に溢れている。今回の映画で演じた日本画家・菱田春草(ひしだしゅんそう)がそのままスクリーンから出てきたかのような佇まいだ。

ひらやま・ひろゆき★

77年10月17日生まれ、岐阜県出身。03年、ドラマ『高原へいらっしゃい』(TBS系)で俳優デビュー。これまでのおもな出演作
に、映画『出口のない海』(06年)、『BRAVE
HEART海猿』(12年)などがある。放送中のドラマ『都市伝説の女』(テレビ朝日系)に出演している。

映画『天心』

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監督/松村克弥
シネプレックス水戸ほか、茨城先行公開中。11月16日(土)~、シネマート新宿ほか全国順次ロードショー
(オフィシャルサイト)http://eiga-tenshin.com/
(C)2013映画「天心」製作委員会

 

――冬景色が印象的でしたが、撮影は12月だったそうですね。
「12年の年末の寒い時期でした。宿泊先が、いつでも温泉に入れるところだったので、仕事に行く前と終わったあとと、体を温めることができました。そこで疲れを癒していました

――岡倉天心は、どんな人物ととらえましたか?
image「過去の資料を見てみると、当時からかなり突き抜けた生活を送っていた人のようです。すぐには理解してもらえそうにない、飛びぬけた才能を持つ方なんでしょう。天才であり、秀才であり、奇人でもある

――平山さんは今回、その天心の弟子、菱田春草という人物を演じましたが、春草にはどのように印象をお持ちになりました?
「真面目で実直そう、というのが写真を見たときに感じたことです。それと、すごく静かそうな印象を受けました。ただ、こだわりの強そうな表情も印象的で、それらを表現できたらいいなと思いました。37歳で亡くなられたこともあって、春草について詳しく書かれてある資料があまりないんです。ですから、台本に書かれている表現をしていくしかないんですけれども、それでも、自分が写真を見て感じたものを反映できればいいなと思いました」

――春草と平山さん、どんな部分が似ていると思いましたか。
「こうと思ったらやる。僕はお芝居、春草は日本画ですが、職業に対してのこだわりや、誰に何を言われようと我の道を行くというところは似ているかなと

――平山さんご自身、絵を描くことはお好きなんでしょうか?
「好きです。最近はあまり描いてないですけど。モノをつくるのが好きなので、陶芸や彫刻もやるんですよ

――今回、この役を通して再び絵心が刺激されたのでは?
「日本画って難しいなと本当に実感しました。絵の具を作るところから始めるんですけど、紙に色を乗せた直後と、乾いたときの色の出方が違ったりして。とにかく難しい。でも、貴重な経験をさせていただきましたね

――専門家のご指導があったんですね。
「日本画の先生にレッスンを受けました。まず、日本画はどうものかというところから教えていただき、お芝居に入っていきました」

――天心のような師匠はどう思われますか?
image「破天荒な生き方をしていて、僕は面白いなと思います。ブレないし、実力もあるし、憎めないところもあって。今回、竹中(直人)さんが演じられたなのかもしれませんけど、すごく感情移入できました。これまでにも竹中さんとは共演する機会に恵まれていて、安心感をもって演じられた気がします。プライベートでも仲良くさせていただいているので

――そうなんですね。
「この映画のお話をいただいたときに『岡倉天心の話で、主演は竹中さんです』というのを聞いて、『竹中さんが出るなら出ます』と、役の詳しいことも聞かずに決めました。竹中さんの名前が決め手でしたね

――俳優生活10年を迎えましたが、振り返っての感想をお聞かせください。
「25歳でデビューして、あっという間でした。そのひとことです。役者になるという夢で東京に出てきて、お仕事をさせていただいて10年。何事も10年続けてみないと分からないと思っていたので、それを目標にしてきました。そして気づいたら経っていました。何もわからないままやっていた気持ち、緊張する気持ち、今もそれを持っています。デビューした当初と、自分は何も変わっていません

――最後に作品のPRをお願いします。
「日本画の礎をつくった方たちを描いた作品なので、いまもそれが継承され生き続けているという、歴史を感じてほしいですね」

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