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本編123分中、着衣時間は18分半。男性2万円、女性1千円、カップル5千円の秘密クラブ『ガンダーラ』で営まれる、乱交パーティでの一夜の物語――。映画『愛の渦』について書かれた説明を読むと、なんだかすごい作品のようだ。出演者の門脇麦に話を聞いた。

かどわき・むぎ☆

92年8月10日生まれ、東京都出身。11年にデビュー。「チョコラBB Feチャージ」(エーザイ)のCMに出演し、話題となる。これ
までの出演作に、NHK大河ドラマ『八重の桜』、舞台『ストリッパー物語』(ともに13年)などがある。東京ガス『ガスの仮面』のCMにも出演中。5月公
開の映画『闇金ウシジマくん Part2』にも出演する。

映画『愛の渦』

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監督/三浦大輔 
3月1日(土) ~、テアトル新宿ほかにてロードショー
(オフィシャルサイト)http://ai-no-uzu.com/
 (c)2014映画「愛の渦」製作委員会 【R18】

――本編123分中、着衣時間は18分半。乱交パーティでの物語。この説明だけで、何かすごそうな作品を予感させます。
「性的な描写が多いんですが、本当に描きたいのはそこではなく、人間の本質なんです。ドキュメンタリー的な感じでストーリーが進んでいくので、臨場感があるかもしれません。脚本を読み終えたとき、『何これ、面白い、すごいっ!』と思ってしまいました」

――門脇さん演じる女性の設定もすごいですよね。『地味で真面目だけれども性欲が強い女子大生』って。
「性欲が強いという感覚が、まったく理解できなくて……。監督の三浦さんに、その気持ちをそのまま伝えました。三浦さんは、女1は何を考えているのか最後まで見えてこない役だし、理解できないまま演じる人のほうがハマるのではないかと考えられたのだと思います。『性欲がいちばん強くて、喘ぎ声がいちばん大きい』と台本にも書いてあったので、そう見えるように演じましたけど、結局、最後まで理解できないまま演じていた部分はありますね」

――完成作を見て、恥ずかしいとか、そういう気持ちになったりしましたか。
「もちろんありました。出演者やスタッフさんと、試写のあとにご飯を食べに行く予定だったんですけど、恥ずかしくて、そそくさと一人で先に帰ってきてしまいました(笑)」

――門脇さん起用の際、三浦監督が「門脇さんと心中するつもりで選んだ」ということを語っていました。やはりオーディションは大変でしたか?
「そうですね。シーンのほとんどがバスタオルを巻いただけなので、オーディションもバスタオル1枚で。普通のオーディションの雰囲気ではなかった気がします(笑)。でも、三浦さんにお会いして、『いっしょにお仕事したいな』とすごく感じました。脱ぐのは決心が必要でしたけど、腹をくくりました」

――撮影中は、休憩でもバスタオル1枚だったのでしょうか!?
「バスタオルの上に、バスローブを羽織って……という感じでした。撮影が順撮り(物語の内容順に撮影を進める)だったので、乱交パーティに参加して、知らない人とそういう行為をしますというときも緊張感が出ていると思います。『こんなに怖い気持ちが芽生えるんだ』とか。撮影の最初と終わりごろでは、意識していないのに、表情の変化が見られるはずです。そういう意味で、〝覗き見〟している感覚になるかもしれません」

――相手役の、池松壮亮さんとの共演の感想をお聞かせください。
「お互い、『初めまして』からいきなりそういうことを始める内容なので、事前に役についてあまり話し合わないほうがいいのかなというのが、暗黙の了解になっていました。女の子が脱ぐということに関して、とても気を使ってくださったと思うんです。池松さんが相手役でよかったです」

――人間の本能がむき出しになっていく様子が描かれていますが、そういうところに集う人たちを、役を通して21歳の門脇さんはどう思いますか?
「私は行かないですけど、三浦さんは『この映画を機に、乱交パーティが流行るといいな』と言っていました。真意はわかりません(笑)」

――門脇さんが思う、この作品の魅力はどういうところでしょうか。
「題材が乱交パーティなだけで、中身はまったく〝エロ映画〟ではありません。文学的な作品だなぁ、と私は思います。だから、エッチな作品だと期待してきた人は、肩透かしをくらうような気がします。いい意味で裏切ってくれるというか」

――読者に作品のPRをお願いします。門脇さんのお母さん世代が読者層です。
「私の母も、娘のそういうシーンは見たくないという気持ちがあったようで、最初に作品の話をしたとき、抵抗感があったようでした。『絶対に見ない』とまで言っていたんですけど、先日の試写会に両親が来てくれて。『すごく面白かった』と言ってくれました。ですから、いろいろな世代の方に楽しんでもらえる作品になっているんではないでしょうか」

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