「今、ロシアは5〜6年前にプロリーグができて、卓球に力を入れているんです。昔はドイツのブンデスリーガがお金もよくて世界各国から強い選手が集まっていたんですけど、今はロシアに流れてるかな」
そう語るのは、隔週連載『中山秀征の語り合いたい人』第67回のゲスト・リオ五輪「男子シングルス」銅メダル、「男子団体」銀メダルを獲得した卓球の水谷隼選手(27)。忙しいテレビ出演の合間を縫って、中山との対談に登場してくれました。
中山「実は僕の実家に卓球台があって、遊びではあるんですけど、よくやってたんですよ。老若男女、やったことがある人口も多いし、身近なスポーツですよね。もっとメジャーになってもおかしくない」
水谷「卓球のイメージって、温泉のピンポンじゃないですか。でも、リオ五輪で世界のプレーを多くの人たちに知ってもらえたので、すごいよかったです。勝っただけではなく、内容もよかったから」
中山「ラリーがすごかったですもんね。白熱した試合に、僕も興奮しました。水谷さんは自分の年棒が約1億円だと公言していますよね。そんなに稼げるんだって正直驚きました」
水谷「世界トップ10以内になると、数億円は稼げると思います。夢はあるのですが、かなり狭き門だということも知ってほしいですね。日本だと、ナショナルチームに入る実力があっても、年収が1,000万円に届かない人がほとんどです」
中山「水谷さんは実業団に所属せず、スポンサー契約だけでフリーで試合に出ているんですよね」
水谷「今はロシアリーグに所属していて、10月からはずっとロシアにいますね」
中山「そういうとき、家族とは離ればなれ?」
水谷「家族は日本にいますが、すぐに帰ってきますね。1週間ロシアにいて、1週間日本にいてという感じで、行ったり来たりを繰り返します。収入があるうちは頑張ろうと思います」
中山「日本にも国内のプロリーグを作る話はあるんですか?」
水谷「プロリーグを作ろうとする動きは、7〜8年前からあったんです。でも、協力してくれるスポンサーがいなくて、ずっと保留になっていた。今回のリオ五輪でプロリーグ設立に近づいたんじゃないかなって。ちょうど今は強い若手がたくさん出てきているので、プロリーグを作るチャンスだと思うんです。世界卓球では39年ぶりに男子が決勝進出し、女子は昨年に続き銀メダル。愛ちゃんや石川などカリスマ性のあるスター選手がいるときにやらないと」
中山「東京五輪までの4年間って大切ですね」
水谷「日本の選手は20人前後が海外のプロリーグで活躍しています。しかも、今は日本での試合がまったくない。プロリーグができれば、海外のトップ選手を呼んで、日本の皆さんに生の試合を見てもらえます」
中山「せっかく盛り上がったのに、確かにすぐ見に行けないのは残念ですよね」
水谷「でも、海外の試合はネットでライブ配信されているんですよ。今はそのことを多くの人たちに知ってもらって、どうにか見てもらいたいですね」