舞台『シブヤから遠く離れて』(12月9〜25日・渋谷Bunkamuraシアターコクーン)に挑む注目の若手俳優・村上虹郎(19)。舞台で繰り広げられるのは、廃虚になった家に思いを残し、暗い記憶のはざまを浮遊する少年・ナオヤ(村上)と、すべてから逃れようとする不思議な女・マリー(小泉今日子)の愛の物語。稽古現場にお邪魔すると、村上の一生懸命ではかなげな姿にキュンとします!
そんな、舞台『シブヤから遠く離れて』で共演する小泉今日子(50)さんが、村上について語ってくれました。
「ナオヤ役について(脚本・演出の)岩松了さんに『どう思う?』と聞かれ、『ぴったりだと思う』と言ったのを覚えています。村上くんのすてきな声で、ナオヤのセリフを想像したら、ザワザワっとするというか。19歳という年齢的にも、本当に限られたこの瞬間にしかできない役だと思いますし、いまの村上くんをこういう作品で見られることは、お客さんにとっても豊かなことではないかと思います」
村上が子供のころに、小泉さんは何度か会っているそう。
「本人は覚えていないでしょうけど、子供のころに何度か会っているんですね。すごくかわいくてヤンチャで、聞かん坊というイメージだった子が、ちゃんとした大人になっていてよかったな、という感じです(笑)。ただ、いまこうして、マリーとナオヤという役として対峙していることが、もともと決まっていたんじゃないか、と思うくらい不思議な感覚ではありますね」
小泉さんは、村上の魅力をこう語る。
「ベテランの人たちの中で、ちゃんとそこに立つ男らしさや男気のようなものを感じますし、すごくまじめなんじゃないかな。いろいろなことを考えてその場に立っているというか。思春期の少年が持っている揺れや、実在感のない、触ろうとしたら透けてしまうような危うさを持つナオヤという役を、一生懸命表現しようとしている姿がすてきです」