(C)小川彌生/講談社(C)2016「きみはペット」製作委員会
「キャリアウーマンが美少年をペットに飼う!?」。2000年~2005年に『Kiss』(講談社)で連載された小川彌生の大ヒットマンガ『きみはペット』(2月6日から放送)が、14年ぶりにテレビドラマで帰ってくる。
物語のヒロインは、高学歴かつ容姿端麗なキャリアウーマン・巌谷澄麗(スミレ)と、段ボールに入っていた謎のイケメン・モモの奇妙な共同生活を描いた異色のラブコメディ。2003年に初めて日本でドラマ化。2011年には韓国でも映画化され、いずれも大ヒットを記録した。ドラマ『イタズラなKiss2~Love in TOKYO』の製作陣によって再びドラマ化となる今作は、スミレ役にモデル・女優として幅広く活躍中の入山法子。“モモ”こと合田武志役は『烈車戦隊トッキュウジャー』主演で人気急上昇中の志尊淳がダブル主演を務める。
女性自身は、主演の2人を独占インタビュー。スミレとモモの秘話をたっぷりお届けします!
【SPECIAL INTERVIEW】
――今回、『きみはペット』の出演のお話がきたときの感想から教えてください。
入山:飛び上がるくらい嬉しかったですね。「まさか、私がスミレをやるなんて!?」って、知らせを受けたとき、おそらく3ミリくらい宙に浮いていたと思います (笑)。14年前にドラマ化されたとき、私は女子校に通っていて、オンエアの翌日は、「モモが可愛い」「モモがほしい」ってモモの話で持ちきりになるほど人気でしたし、私自身、本当に大好きな作品だったので。
志尊:僕は、14年前は小学生でしたが、何となく記憶に残っていて。まずは思い出す作業から始めて、いろいろ調べていくうちに、「自分にできるかな」という気持ちが大きくなっていきました。ふだんから、役づくりをするときは周りの人たちの評価は反映したくはないと思っているのですが、原作のイメージをしっかりと持っている方や、これまでの映像化作品のファンが多いということもあり、否応なしにいろんなことが耳に入ってきてしまう。どのように取り組むべきかとずいぶん悩みました。モモをやれるという喜びよりも、不安のほうが大きかったと思います。
――役作りについて聞かせてください。どんなスミレを、モモを演じたいと思われましたか?
入山:クランクインする前に原作を読み返したのですが、高校生のときに読んだときの印象と、今回、改めて読んだ印象がまったく異なることに気づきました。スミレに共感する部分が、10代と30代とでは違うなあって。また、この年齢になって初めてわかる部分もありましたし。『きみはペット』ファンは、スミレに対する共感というのをいちばん大事にしていると思いますので、そこは裏切らず、きちんと表現したい、と。スミレはプライドばかりが高くて、外では武装して生きています。でも、本当は心がとても弱くて、モモの前だけ強気になれるという、ギャップの可愛らしさみたいな部分を意識して演じました。
志尊:僕は、原作を読んで、映像作品も拝見しました。その上で、僕自身が感じたモモを、リアリティーを大切に演じたいと思いました。20歳の青年の感情をありのままに表現したい、と。キャラクターを単なる記号で見せるのではなく、モモと僕のなかでリンクする感情を自分の中から引っ張り出すということを意識しました。また、飾らない感じをいちばん出したかったので、そういう意味では、素直に演じられたと思います。モモは野性的な部分が見える瞬間もあるので、そこもきちんと見せて。
――数々の名シーンがありますが、まず、スミレとモモの出会いのシーンを撮影したときはどのような感じだったんですか?
入山:2人の出会いの瞬間って、スミレがこれまで生きてきたなかで、真に解放されるシーンだと思うんです。幼いころから可愛がっていた犬のモモにしか心を開くことができなかった彼女が、そのモモが死んでしまったことで、再び心を閉ざした。そして、人間のモモというか、モモに見えた青年と出会った瞬間、心がふわ~っと解放されて。とても素敵なシーンになったと思っています。
志尊:僕も印象的だったなあ。本当に、初めてスミレちゃんに出会ったような感覚もあって、そのときの感じたものをそのまま出せばいいだなあと思いながら演じていました。
――最初は同居生活を新鮮に楽しんでいた2人ですが、次第に状況が変化していきます。演じる上でポイントにしたことは?
入山:意識しなくても、現場がそういう空気になるんですよ。不思議なほど。家でモモと和気藹々と過ごすシーンは本当にはしゃいでいましたし、半面、シリアスなところは、私たちの気持ちを自然に汲み取っていただけるというか。物語が進むにつれて、モモとスミレを取り巻く人々の感情や関係性が交錯していきます。そのなかでスミレが感じる不安や迷いを表現する場面でも、ただその場に素直にいればよかった。信頼しているスタッフのみなさんに身を委ねていれば、きちんと切り取っていただけたという印象です。
――モモにはどのような変化がありますか?
志尊:もう、変化だらけでした。追い詰められて、キツかったですね。前半は、わりと俯瞰に見ているとこもあって、気持ち的にも揺らぎは少ないのですが、後半になると、我慢する部分が多くなるんです。どんどん精神的に苦しくなって、それを解放する瞬間も出てくるし、とにかく、感情の流れが激しかったですね。
入山:志尊くんが、モモになるためにめちゃめちゃ努力をしていると感じていました。彼の作る現場の空気って本当にすごくて。感じるんですよ、今、モモがちょっとピリッとしてきたぞ、とか。でも、それって、いいことなんです。そういうモモにみんなが乗っかって、緊張感のあるシーンが撮れたと思いますし、私も安心してモモに乗っからせていただきました(笑)。
――演じていて、お互いにこのシーンのモモは、スミレは素敵だと感じたシーンはありますか?
入山:やっぱり、「おかえり!」と言って出迎えてくれるときのモモの表情は、何よりもかわいい。ただ、1話からずっとやってきて、素敵! と感じたシーンはダンスシーンですね。踊っているときの表情がそれまで見てきたモモと全く違って、モモを演じる志尊くんの真剣な思いが伝わってきました。大変なスケジュールのなか練習されているのを知っていたので。
志尊:そう言われると、すごく恥ずかしい(笑)。僕がいちばん好きだったのは、スミレちゃんの女の子っぽい姿が見られるシーンです。会社でのスミレちゃんはわからないですが、モモにはたくさん弱いところを見せる。そんなスミレちゃんの強がっていない、ありのままの姿が本当に魅力的なんですよ。具体的に言えないんですけど、たとえば、僕がモモとしてスミレちゃんを見ていて、「うわっ、好きだ!」「放っとけない!」って思う瞬間があるんです。
――今回、お二人は初めて共演されたということですが、お互いの印象は?
志尊:僕のなかでは、「入山法子さん」いうよりも、「スミレちゃん」という印象のほうが強くて。今日、こうして久しぶりに会っても、無意識にそう思っているところがありますね。そうじゃなかったら、こんなにフレンドリーに年上の女性と接することなんてできないもの(笑)。
――志尊さん自身、モモのように、人の心にスッと入っていけそうな雰囲気がありますけど。
入山:いやいや(笑)。志尊くんって、今まできっとこんなに年の離れた女性と知り合うことがなかったんだなあって感じるほど、最初は本当に探り合いでした。
志尊:そうだった(笑)。入山さんはね、スミレちゃんに似てるって言ったら違うのかもしれないけれど、モモとしても、志尊淳としても感じる雰囲気というものに変わりがないというか。プライベートで話すときの僕の温度感も、モモとしてスミレちゃんに話す温度感も変わらないので、その空気を作ってもらったのは、演じる上で嬉しかったことですし、お芝居がやりやすかったです。言いたいことを何でも言ってくれる方なので。
入山:私にとっても、志尊くんはモモでしかなくて。楽しかったですけどね。
――今回、モモのキャラクターは「肉食系」とか「子犬系」と言われていますが、じつは、入山さんから見た志尊淳さんは何系?
入山:私から見た志尊くんは、何系だろう……。もう、細胞レベルで異性を傷つけない系です。おそらく、ご自身がお母様やごきょうだいと仲が良いというのも大きく関係していると思うんですけれど、本当に、人を傷つけない人なんです。どうしたら、そんなふうにできるの~って。周りをすごく見ているし、そのなかで、自分がどう振る舞ったらいいのか、と熟慮している。そういう部分は、モモっぽいなあと思います。あっけらかんとしているところもあるけれども、じつは、いろいろ物事を深く考えているし、スミレちゃんのことをよく見ているし。志尊くんのような優しさにはたくさん助けられました。こんな人は会ったことないです。
――ドラマをご覧になるかたに、どんなメッセージが伝わればいいなあと思っていますか?
入山:人間ドラマとしても見どころが多いと思いますし、何よりも、スミレがモモと出会ったことで、人としてほぐされていく感じを見て、スミレと一緒になって、志尊くんのモモに癒されてほしいなあと思います。
志尊:登場人物がみんな、自分の思いを抱えつつ、一生懸命に不器用ながらも生きています。目的を持ち、そこに向かって突き進んでいるところもあれば、それを周りが支えて引き上げてくれるところも描かれます。そこで見える葛藤であったり、壁を乗り越える瞬間であったり、どうしても叶わない部分であったり。目には見えない矢印がとても多いんですよ。登場人物も多いですし、思うことも人それぞれ違うし。そういうなかでは、どのキャラクターに感情移入していただいても楽しめると思いますし。何回見てもおもしろい作品です。ストーリーを介して、登場人物の気持ちに寄り添ってもらえるのがいちばん幸せだなって思います。
――この作品を通して気づきみたいなものはありましたか?
志尊:僕は、自分自身の意識や役を演じるにあたってのアプローチとか、すべて変わりました。こんなにも好き勝手というか、自分の信念を貫き通してお芝居をさせていただいたこともなかったですし、モモをやっているときは、あまり芝居をしている感覚というのがなかったですね。私生活でもずっとモモでいようと思ったわけではないんですけれど、モモが辛いときは家でもブルーでした。ボケーッとして。それまでは、こんな感じじゃなかったんです。むしろ、役と日常生活はきちんと切り替えるタイプで。
――入山さんにとっては、このドラマはどんな作品になりましたか?
入山:もう、ちょっと存在が大きすぎて、一言でまとまらない。仕事を続けていたら、こんな幸せな経験ができるんだなあっていう感じでした。私も、撮影が終了してから結構引きずったんですよ。そんなこと今までなかったのに。クランクアップしたときも、3ヶ月間、密に付き合ってきたスタッフやキャストのみなさんと、明日からは会えませんってなったとき、今まで抱いたことのないような感情になってしまったんです。でも、ある意味、それだけのめり込めたのかなあとも思いますし、役者冥利に尽きるとも言うのかなあ、と。30代になって、『きみはペット』という作品と出会い、巌谷澄麗という女性を演じられたことが本当に嬉しかったです。本当に、転機ですね。女優として、ターニングポイントになる作品になりました。
【放送情報】
『きみはペット』
フジテレビ(関東ローカル)にて毎週月曜深夜放送中
FOD(フジテレビオンデマンド)にて、20:00~毎週2話ずつ先行配信中
【Blu-ray&DVD情報】
『きみはペット<完全版>』Blu-ray&DVD-BOX1
2月17日(金)よりリリース、3月2日(木)よりDVDレンタル開始
発売元:2016「きみはペット」製作委員会
販売元:エスピーオー