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「NHKに入ったのが、およそ60年前。あなたはアナウンサー、私は放送劇団。そのころからもう気が合っていて、一緒にフランス語を習ったり、同じ洋服屋さんでお洋服を作ってもらったり」

 

今年6月13日に亡くなった女優・野際陽子さん(81)を偲び、そう語るのは女優の黒柳徹子さん。野際さんは’58年、NHKにアナウンサーとして入局し、’63年に女優デビュー。テレビドラマ『すっとあなたが好きだった』(TBS系)での息子を溺愛する母親役など、鮮烈な役柄を数多く演じた。

 

そんな、野際さんに黒柳さんが送る感謝のメッセージ。題して「“愛”を教えてくれたあなたへ――」。

 

「私はあなたの感覚が好きだったし、何より正直だった清らかなあなたが好きでした。長いことファクスでやりとりしましたね、流れるように美しい字のあなたのファクスは、カタカタと静かに送られてきました。大きくてガタガタの字の私のファクスは、あなたと対照的に、恐らく、ドタドタとお宅に到着したことでしょう」

 

そして、黒柳さんはこう続ける。

 

「そういえば『死』ぬときのことなんかも、話したことがありましたね。次に、あなたにお会いしたとき、どんなだったか話し合いましょうね。あなたのいらっしゃらないこの世界は寂しいです。本当にお友達がいなくなったようです。じゃ、今度お会いするまでね。お友達でいてくださって、どうもありがとう」

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