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「送られてくるお手紙は『キレイです』『お茶をのみましょう』といった内容が多く、本人がうぬぼれてしまうような褒め言葉は、芸の道の妨げになるからと、見せてもらえなかったのよね」

 

そう話すのは明日待子さん(98)。日本の家庭にテレビがなかった時代に、レビューや軽演劇を上演していた「ムーラン・ルージュ新宿座」は若者たちの憧れの象徴だった。「インテリと言うならムーランを知らないと」といったハイソな雰囲気も。その場所で、現代のAKB48のごとく絶大な人気を誇った“ライブアイドル”が、明日待子さんだ。

 

「本当に忙しかった。いつも新宿の劇場へ通う電車の中で台本を覚えて。舞台が終わると、雑誌や広告の撮影があって何本か映画にも出たわね。その合間に、母が私の手を引いて踊りや三味線のお稽古に連れていってくれました。若かったし、何より舞台が好きだったから、まるで苦にならなかったの」(待子さん)

 

昨年暮れにテレビ番組『爆報!THEフライデー』(TBS系)に出演。「元祖会いに行けるアイドル」として紹介されるや、その驚異の“アラ100美”に注目が集まり、ネット上でも続々と「かわいすぎる!」「お肌がとってもキレイ」といった称賛の声が寄せられた。

 

現在、待子さんは北海道札幌市在住。日本舞踊の正派五條流宗家・五條珠淑さんとして舞も披露する現役の日本舞踊家だ。いまだ現役アイドル顔負けのキュートな笑顔で、出会った人すべての心を癒してくれる明日待子さん。そこで、“アラ100”まで衰えることのないその「元気と美しさの秘訣」を教えてもらった(本人と後継者である家元の次女・ミカさんによる解説)。

 

【1】日本舞踊の“中腰”を体得

 

「確かに5歳で始めた日本舞踊の影響はあるでしょうね」(待子さん)

 

長時間「中腰」になることで、ふだん使わない下半身の筋肉にアプローチ。これによって体幹が整い、立ち姿に、抜群の安定感が生まれる。また日本舞踊の手先や足さばきの習得で、ふだんのちょっとした仕草もしなやかに。

 

【2】和服生活で姿勢がピンッ!

 

「しっかりと帯を締めることで、姿勢がよくなります」(ミカさん)

 

和服を着続けることによって、背筋がピンと伸びた姿勢を維持。これは肌たるみやシワ対策にも。

 

【3】体の柔軟性をキープ!

 

「幼いころはフラメンコやバレエといった洋舞も習得しました。子どものころから体はとっても柔らかいの」(待子さん)

 

体が柔軟であり続ければ、腰痛や肩こりなども少なく、大きなケガも避けられる。

 

【4】常に「見られる」緊張感を!

 

結婚を機に一時は舞台から離れていたが、日本舞踊の家元として、また人前に立つようになった待子さん。「美しくありたい」と、100年近くにわたって「見られる緊張感」を持ち続けていることが、あふれるモチベーションにつながっているという。


【5】若い人にワクワクする!

 

「今回の平昌五輪では、ずっと羽生くんを応援していました。本当に立派ですね」(待子さん)

 

日本舞踊の教室には若いお弟子さんも多いが、待子さんは常に「あなたたちが上達するのが楽しみなのよ!」と激励の言葉をかけている。若い人にワクワクするのも、みずみずしさの秘訣だ。

 

【6】硬いモノが大好物!

 

「好きな食べ物は、だいたい“硬いモノ”ね。とくに草加せんべいは若いころからよく食べていました」(待子さん)

 

もともと歯が丈夫で、少し前まで歯科治療経験がゼロだった。肉も魚も野菜も何でも好き嫌いなく食べる。

 

「私が“お昼にね”と差し入れたカツサンドを、母は待ちきれなかったのか『おやつの時間にいただいちゃったわ』と言って(笑)」(ミカさん)

 

この“咀嚼力”は、まさに元気の源だ。

 

【7】毎日たっぷりの化粧水を!

 

ほとんどシワのない待子さんの奇跡的な艶やか肌。何か秘密の美容法が?

 

「いえいえ、大したことはしていません。しいていえば、あまりいじらないことよ。自然がいちばん」(待子さん)

 

実際に待子さんが毎日していることは、化粧せっけんで洗って、化粧水をつけるだけ。ただ、使う化粧水は一点豪華主義で、シャネルやメナード、コーセーなど、そのときどきの「お気に入り」をたっぷりつける。

 

戦前戦後と、どんなにつらい時代も「つらいときこそほほ笑みを絶やさず」という、母の教えを胸に、笑顔を絶やさず生きてきた。そんな、明日待子さんの“アイドル・スマイル”に教わりたいことは、まだまだたくさんある――。

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