「お話をいただいたときは、ついにきたなあ、と。成長した自分を見せたいですし、演劇の面白さを教えてくださった先輩方に恩返ししたいです」
そう語るのは、劇団☆新感線の最新作となる、いのうえ歌舞伎『偽義経冥界歌』で主演を務める生田斗真(35)。本公演は、同劇団旗揚げ39周年を記念する“サンキュー興行”の一部として昨年より各地を巡演。まもなく東京公演が開幕する(TBS赤坂ACTシアターにて2月15日~)。
劇団☆新感線には4度目の参加となる生田が演じるのは、主人公の源九郎義経。座付き作家の中島かずき氏(60)が生田に当てて書き上げた。
「新感線ではおバカな役が多くて(笑)。かずきさんに『新感線らしい主役像を体現してくれた』とおっしゃっていただけてうれしかったです」
劇団史上最も立ち回りが多いことも見どころの1つ。
「大変ですが、やりがいがあります。演出のいのうえひでのりさん(60)は、劇団に僕みたいな年齢の若い役者が来ると、無理をさせます(笑)。僕をまだ高校生だと思っているみたいで」
というのも、生田が初めて劇団☆新感線に参加したのは今から18年前のこと。
「当時はお芝居のことが何もわからず、いのうえさんの言われたようにやっていた。お客さんがドンと爆笑しても、“今、なんで笑ったんだろう?”という感じで、何がウケるのかわからない。“じゃあ、明日はこうしてみよう”とやっていくうちに演劇の魅力にハマって。人生の大きな転換点でしたね。あのときお芝居が好きになってなかったら、今、何をしているかわからない」
それでは、生田が考える劇団☆新感線の舞台の魅力とは?
「学生演劇時代の部室のノリみたいなものをなくしていないところじゃないかな。“すげえもん作ってビックリさせてやろう”というのを突き詰めた結果、ここまでの劇団になったというのが魅力だと思います。彼らのスピードに自分もちゃんとついてこられたということがうれしいです」
「女性自身」2020年2月18日号 掲載