■「ブリーフじゃなくて海パンにしなさい」と猫ひろしに
――今となっては梅垣さんの代表作、歌いながら鼻から豆を飛ばす芸は喰さんの助言から生まれたと梅垣さんからお聞きしました。猫ひろしさん(43)にもターニングポイントとなる喰さんの助言があったそうですが。
僕のところに猫ひろしがネタ見せに来た時はWAHAHA本舗所属じゃなくてまだ地下芸人だったんですよ。猫ひろしはいい所と悪い所、半分半分だったんですが、僕は面白いと思ったからライブに出したんです。それで彼がWAHAHA本舗に入りたいと言うから入れるのに条件を出しました。「ネタはそのままでいいけどアングラな地下芸人という世界に行って、それを喜んで武器にしてはいけない。地下と言って開き直るのはやめなさい」と。
――地下の猫ひろしさんを喰さんが地上に上げたんですね。
その当時はブリーフでネタをやってたんですよ。それも止めさせて「海水パンツに替えなさい」と言いました。
――“地上”では見た目からもっとポップにしなさいということですね。喰さんはWAHAHA本舗のメンバー以外の芸人さんにも多くの助言をしているとお聞きします。ぺこぱの松陰寺太勇さん(37)の衣装なんかもそうなんですよね。
当時、松陰寺君はスーツを着てビジュアル系バンドのキャラのネタをやってたんです。僕はそれだったらキャラやネタはそのままでいいからビジュアル系がやらない着物の方がいいんじゃないかと言いました。
――今はスーツに戻りましたがメディアに出始めの頃の松陰寺さんは深夜番組に着物で出演していました。
その後に着物を止めて売れたから俺のアドバイスがダメみたいになってるけど、その当時はある程度ウケて仕事が入ったらしいですよ(笑)。
――存じています(笑)。松陰寺さん本人も「そこからお客さんのウケがどんどん良くなった」と感謝していました。ナイツさんにも助言したそうですが。
ナイツはネタ見せに来たんだけど、その時にネタを飛ばしちゃったんですよ。でもそこからやったアドリブの方が面白かったの。だから「それができるんだったら別に台本通りやらなくていいよ。漫才は台本が無いように見えるのが面白いわけだから。ネタが飛んだら飛んだでやって行くのがライブのおもしろさだし、台本なんか気にせずにぶち壊せばいいんだよ」って。
――塙宣之さん(42)はその助言で1つ上の段階に行けたとラジオでおっしゃってました。