■いつ逝ってもいいように睡眠時間を削ってでも…
半世紀にわたる芸能生活は常に波瀾万丈。それでも明るく朗らかに笑い、デビュー50周年を記念して、シングルリリースのほか、自身がプロデュースしたオリジナルコスメ「attitude〜アティチュード〜」も発売するなど精力的に活動する。
心のよりどころは、「サッカーと愛犬」と小柳さん。大好きなリオネル・メッシ選手が出場する欧州リーグの試合を観戦するためには睡眠時間を削ることもいとわない。
「お肌に悪影響はまったくない。むしろ、私は試合を見ないで寝たときのほうが翌朝ダメですね。私の活力のもとなので(笑)」
保護犬だった5代目“ルル”は昨年10月に小柳家にやってきた。
「ルルたんなしではもう生活できない(笑)。彼女との出会いは、奇跡だと思っているんです。私の年齢を考えると、赤ちゃんから飼うのはもう無理かなと思っていましたし、ワンちゃん自体、飼えないんじゃないかと諦めていました。やっぱり、その子の一生に責任を持つわけですから、生半可な覚悟では飼えません。これからの人生はルルたんが喜ぶ思い出をたくさん作っていきたいと思っています」
そこで、「人間のパートナーは必要ないですか?」と聞くと、「まったく興味ない!」ときっぱり。
「私は恋多き女ではなくて、恋深き女なんです。なにごとも掘り下げるのが好きなもので」
昨年、著書『もう68歳と思うのか、まだ68歳と考えるのか』を出版。自分の年齢に向き合う生き方についてつづっている。
「私くらいの年齢になると、『もう69だから』と年のせいにする人がほとんど。でもそれは自分に負けていること。私は、『まだ69歳』と考えるように心がけています」
老後や終活はまだ遠い先のようだが、一人暮らしの自分の身を案じる日もある。10月に震度5強の地震が東京を襲った日、自身のブログにこう本音をつづっていた。
《何もない時は良いけど 天災や私の体に異変が起きた時 私は多分…誰にも気付かれず1人…孤独死だろうな 覚悟しとかなきゃ》
「本当にそう思っています。寝るときはちゃんと身だしなみを整えておいたほうがいいなあとか、いろいろ考えますよ。それはネガティブじゃなくて現実のこととして。
エンディングノートを書いたりしたことはありません。でも、常日ごろ、『いつ逝っても悔いのないような人生を送ろう』とは心がけています。たとえば、メッシもいつかは引退するわけですから、現役の間にこの目に焼き付けておこう、と。
だから、サッカーは見たいときに見るの、たとえ睡眠時間が2時間になっても(笑)。独り身の寂しさなんて感じている時間はないんです」
来る12月25日、東京プリンスホテルでクリスマスディナーショーを開催する小柳さん。全ての記念イベントが中止になった1年前のリベンジに燃えている。
「バンド演奏でダンサーもつけて、私の本領発揮になると思います。踊りまくるでしょうね(笑)」
生涯現役を宣言する横顔は、凜とした強さと覚悟がうかがえる。
「昨年、コロナの影響でまったく仕事がない時期もあって、一時は引退を考えるほど絶望しました。でも、いまは歌手を続けること以外の選択肢はないと思っています。この仕事は、いまだにいろんな発見がある。もっともっと歌がうまくなりたいです」
最後に、「10年後も脚を出して踊りますか?」と尋ねると、
「平気よ! そういう仕事があればいつでも出したいくらい(笑)」